紡ぐ時。 ページ19
「おれ、丸山さんと一緒の所、見てもうたんよ。」
ベンチに並んで座って、久し振りの会話。
『え、』
「スーパー。」
『…あぁ。』
『でも丸山さんは、』
「な。既婚者やって？おれ、知らんかってん。」
『うん。』
『あの日、実家に帰ったら…あ、実家は兄夫婦がいるんだけど。丸山さんが姪っ子のお下がり貰いに来て、』
『奥さん今妊娠中で、悪阻でご飯作れないから、丸山さんがご飯作ってて…』
「そやってな。」
『え？誰に聞いたの？』
「丸山さん。」
『…え？』
「今日、橋本さんと総務行ったやん。」
『あ、…うん。』
「でな。行く途中に、今度二人で飲み行きませんかー？言われて。」
『……。』
「勿論断るやんか。おれそんな気ないし。気もないのによう行かれへんし。」
「それ、丸山さんに聞かれててな。」
『……、』
「総務の後、トイレ行ったら丸山さんが入ってきて、あんなべっぴんさんのお誘い断るなんて勇者やわー言うて、急に絡んできよって。」
「Aと付き合うとる癖に何やねん思ったけど、負けたない思ってな。おれ、好きな子おるんで、言うたんよ。」
「そしたら、それ、河合さん？って。」
『……っ、』
「そんで聞いたん。あの人ホンマ役者やでー？やられたー、すっかり騙されたわ。このタヌキ！思ってもうたもん。笑」
『タヌキって、…確かに似てるけど。苦笑』
「ひっどー！笑」
『ちょっと！しょーたが言ったんじゃん！』
ベシッて久し振りのツッコミを入れたら、
その手をぎゅっと捕まえられた。
「はい。じゃAの番。」
『……っ、』
左の口角だけ上げて、悪い笑顔。
『……///』
そっと私の耳に顔を寄せて、
「聞かせて。Aのキモチ。」
って、耳元で囁かれた。
そんな意地悪されたら。
もう私は真っ赤で、心臓が口から飛び出そうになってしまった。
『……す ……き、///』
「えー？なにー？笑」
クスクス意地悪な笑い声を立てながら、
"聞こえませーん♪"
って、今度は私の口元に耳を寄せてきた。
『、だからっ。』
『すき！！なんだって、ばっ！』
私をからかうしょーたに、ちょっとムキになって声をあげたら、
勢い余って、しょーたの頬をかすめた私の唇。
『……っ、////』
「それ、ズルいやろぉ。」
「男のおれからしようと思ったんに…」
そして、しょーたの唇が、私に触れて。
二人の心が繋がって。
また、新しい時間を紡いでいく。
〜end〜
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がくたん(プロフ) - ブルームーンさん» やだー！４回も！！嬉しすぎますー！！！私、ブルームーンさん、大好きです！神読者様やー！！･(つд`｡)･｡ (2018年9月25日 23時) (
レス) id: c5150bc668 (このIDを非表示/違反報告)
ブルームーン(プロフ) - ４回目読んでしまいましたー！好きです！ (2018年9月23日 6時) (レス) id: 12f3ff3be9 (このIDを非表示/違反報告)
がくたん(プロフ) - NobuYouさん» こちらまでありがとー！御都合主義のほうで述べたよーに、彼のもつ色んな顔を作品毎に書きたくて、こんな感じになりましたぁ。人当たりは大事やけど、八方美人は…ね。そうやね、似てるようで大きな違いですね。何はさておきお気に召してもらって良かった(^o^) (2018年9月15日 22時) (レス) id: c5150bc668 (このIDを非表示/違反報告)
NobuYou(プロフ) - 今までがくたんさんのお話に出てくるヤスとは違って、感情を結構表に出してますね。不機嫌になるヤスって可愛い！人当たりは良いけど、八方美人にならないのは尊敬します。私もそんな人付き合いを目標にして。ふわっと書いて、こんな素敵なお話になるなんて、天才！ (2018年9月15日 18時) (レス) id: beff6a0c0a (このIDを非表示/違反報告)
がくたん(プロフ) - ブルームーンさん» ありがとうございます！３回も！！涙ちょちょ切れですー(;´Д⊂) また短編も書きたいなぁなんて思ってますので、よろしくお願いします♪ (2018年3月21日 22時) (レス) id: c5150bc668 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：がくたん
| 作成日時：2017年11月5日 11時
