タクシー。 ページ6
皆でぞろぞろお店を出て、歩き始めたら。
「タクシー乗ってこ？」
って声をかけられた。
確かにさっき、同じ方面は私だけって分かったけど。
私の家のさらに奥が安田さんの家って事もわかったけど。
直線距離ではないし。方角が少しそれるし。
決して近いわけじゃない。
『いや、この時間タクシーないかも…。大丈夫ですよ、自分で帰れますからっ。』
って返事したら。
後ろから車が近づいてきた。
私が安田さんと反対側に避けようとしたら。
不意に伸びてきた安田さんの逞しい腕。
私の左腕を掴んだと思ったら、
「あぶないっ笑」
って、一瞬車の方に押し出して。
『っちょっ！』
って言った瞬間に、
ふはって笑って、自分の方にぐいって引っぱってくれた。
そのはずみで私の左肩にポン、と当たった安田さんの右腕。
筋肉質なのに、とても柔らかくて、温かく感じて。
男の人の厚みのある身体の感じに、ドキっとした。
「いいよ、回るから一緒に乗ってけって。」
ノールックでそう言う安田さん。
見上げた横顔は鼻筋が通っていて、街灯が映りこんだ目が綺麗で。
思わずそれ以上言葉がでなくて。
皆と離れてタクシー乗り場の方に行く安田さんに吸い寄せられるようについていった。
「……ありゃ。苦笑」
『ふふっ、まだ電車ありますよ、きっと。笑』
結局タクシーがいなくて。
慌てて皆を追いかけるように改札へ向かった。
別方面のホームに向かっていく皆にギリギリで追い付いてバイバイできて。
二人並んでホームに向かった。
「どこまで乗るん？」
『うーん、私の最寄り駅はタクシーホントにいないから、いっこ先まで行って…そこならタクシーいっぱいいるから、そうしよっかなって。』
「じゃあおれと一緒んトコや。」
たった三駅だけの、二人で乗る電車。
終電前だから、人もまばらで。
電車に乗ってすぐ、誰も座ってない4人がけのシートの真ん中にどかっと座るから、
その隣に、私も座った。
電車が揺れる度に安田さんの腕と触れる私の腕。
二人の間は距離にして10cmくらい。
思ったより近くに座っちゃったかなって思ったけど。
安田さんもそのまま座り直すこともしなかったし、
私も、この触れあう感じが心地よくって、そのまま少しだけくっついていたくって。
もっと長く乗っていたいなって思いながら、
10分だけの寄り添い感を噛み締めた。
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がくたん(プロフ) - 私の思うヤスくんは全てが"天然"ですからねぇ。色気も男気も雄も可愛さも、全てオートマチック。変幻自在。本人も言ってますけど、カメレオンですわ。こんな人、二人といないよね。"いそうでいない"、そんな風に書けてると言っていただけて嬉しいです！ (2018年9月15日 22時) (
レス) id: c5150bc668 (このIDを非表示/違反報告)
がくたん(プロフ) - NobuYouさん» ちょっ！びっくりしたぁーっ！Nobuさん！めっちゃご無沙汰やないですかー！しかもコメントまで！！びっくりして電車の中で小さく"おえっ！？"って叫んでもーて。直後、私の周囲に少し空間ができました(^-^; お元気でしたかー？？久しぶりの絡み、嬉しいですー (2018年9月15日 22時) (レス) id: c5150bc668 (このIDを非表示/違反報告)
NobuYou(プロフ) - やっぱりがくたんさんのお話のヤスっていいな。いそうだけど、こんな可愛くてカッコイイ上司っていないですもの。ヤスって絶対に外さないイメージ。心を鷲掴みするにはどうすればいいか野生の勘でわかってるのかな？計算なのか？天然なのか？ (2018年9月15日 12時) (レス) id: beff6a0c0a (このIDを非表示/違反報告)
がくたん(プロフ) - マシュマロさん» 本家本元の安田さんの可愛らしさと色気、男気と儚さという魅力だったり、何よりも読んでくださる皆様の安田愛が、私と同じ感覚で実像と結びつけながら読んでくださるから！そこに尽きますです！本当に感謝感謝です、また遊びに来てくださいね♪ (2018年7月23日 5時) (レス) id: c5150bc668 (このIDを非表示/違反報告)
がくたん(プロフ) - マシュマロさん» わぁおー、こちらにまで！ホンマにありがとうございます♪この安田さんの小５感、私も大好きです。書きながら策士安田さんに振り回されました(*>ω<*) 作品毎に違うテイストの安田さんを書くべく頭を悩ませてるのですが、それも全ては→ (2018年7月23日 5時) (レス) id: c5150bc668 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：がくたん
| 作成日時：2017年6月15日 17時
