武者震いよ ページ14
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カバンを開けて、財布を取ろうとしたら、中にお弁当が入ってた。
あれ、誰かのカバンと間違えちゃったかな(汗)ってカバンを掲げてよく見たけど、中に入ってる物は私のだから間違いはないと思うんだけど…とお弁当を取り出してみる。
カサ、とお弁当に貼ってあった紙が落ちた。
拾って読んでみる
「お疲れ様。美味しくなかったら捨てていいよ」
ふふ、と笑う。
差出人の名前が書いてなくても、誰のか分かる。
見覚えたローレンの字。
佐藤「お疲れ様です先輩!良かったら先輩の昼食奢りますけど…それ、、お弁当?」
『そ!カバンの中に入ってた 笑』
佐藤「自分で作ったんですか?」
『いや?なんかいつの間にか入ってた 笑』
佐藤「え、それって誰かからか分からないってことですか?!やめた方がいいっすよ!」
『んー?だいじょーぶ大丈夫!誰からのか分かるから』フフ
パカッ
佐藤「…ホントに大丈夫っすか?お腹壊しません?」
『…胃薬は持ってるからた、多分大丈夫…こ、こここう言うのはお腹の中に入れちゃえば一緒よ』
佐藤「せ、せんぱい震えてません?」
『武者震いよ…』
弁当箱の蓋を開ければ、中身はぐちゃぐちゃだった。
ちゃんと焼けてないのか、所々赤いものもある。
そう言えば料理出来ないって言ってたなぁ…
私も人のこと言えないけど 苦笑
恐る恐る口に運んで咀嚼する。
目の前にいる佐藤くんは不安げに私を見つめてる。
『美味しい…』ポロポロ..
佐藤「え!せんぱい大丈夫っすか?!涙出てますけど!」
『美味しくて、グスッ..涙出てきたみたい 笑』
辛いものも平気なローレンが私のために味付けを普通にしてくれたり、私の好きなハンバーグをわざわざ作ってくれたり
こんなの美味しくないわけが無い。
母親のお弁当でも泣いたことないのに…
『ご馳走様でした』
『さて!午後も頑張ろう!』
佐藤「はい!…成功したらデート!!(ボソッ)」
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「部長ぉ!泣いていいっすか?!」
「こんなとこで泣くなよ」
「良いよ〜ローレン。好きな子に受け取って貰えて良かったね」
「うぅ…叶部長さいこーっす!やっぱ叶部長なんすわ…」
「てかいつまで隠れてればいいんだ?」
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れこ(プロフ) - あまつかあくまさんの作る文章が大好きです…!最新話もめちゃくちゃ良くて…🤦♀️これからも更新頑張って下さい! (5月3日 16時) (レス) id: fc4b70d152 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あまつかあくま | 作成日時:2024年3月3日 13時