実体のある御神体ってこと？ (fsm) (ページ43)

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ヴァンパイアハンターページ43

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僕達は2階席で歓迎会を眺めていた。
いろんなグループがいろんな遊びやらなんやらしていて見ていて飽きない。

そんな中、長尾の発言と長尾の震える指の先に見た、知らない男に連れて行かれるA。

男に抵抗しているのを見た俺はここが2階席であるにも関わらず、飛び降りてAを助けに行こうと思った。

『離せっ！離せよ！！Aを助けに行かないとっ！！』

甲斐田｢無茶言わんといて下さい！ここ2階っすよ？！｣

長尾｢うぉぉっ、力強っ笑｣

弦月に、がっくんがこの世の終わりみたいシメ方をするから近付くなと言われた。

と言われても正直納得行かなかった。
そんなものは行かない理由にならない。と

椎名たちも、Aがいないことに気付いて僕達に所在を聞いてきた。

僕が知らない男に連れていかれた。と応えれば、
なぜ助けに行かないんだ？とさも当たり前の返答。

さぁ、僕達は納得していないが、特能の人たちは納得するのか？
言ってみろよ、と弦月に目を向ければ、

椎名たちには、
弦｢Aちゃんの所にはがっくんが向かっています。皆さんならこれ以上説明は要らないでしょう？｣

と簡潔に伝えていた。

特能の人たちは、これで納得がいったらしい。

何故だ。
僕ならばこれでは納得しないだろう。
僕の方が特能の人たちより、椎名より長い時間Aといるのになぜ今ので理解出来たんだ？

僕と椎名たちのAとがっくんに対する理解の差を感じ、気がつけば握り締めていた手の平が、血で滲んでいた。

授業を終わらせるチャイムが鳴った頃、弦月ががっくんから来ていいと許可が降りて僕達は弦月について行った。

多目的ルームを出る時に叶と葛葉も加わった。

保健室の前で弦月が立ち止まり、ノックをした。
中から返事が来たので、堪らず僕が扉を開けた。

あまりにも勢いよく扉を開けたせいで、カーテンが大きく揺れ動き、窓前に立っていたAに当たる。

A｢ふふ、どうしたの？そんなに勢いよく開けて笑｣

にこやかに僕達に笑いかけ、風で靡いた髪を耳にかけている。

あぁ。

頬を赤らめているAに、勢いよく扉を開けて僕に笑いかけたAに…

長年隠していたはずの感情が再び芽を出してしまった。

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