20.迷子の迷子なリボンちゃん ページ22
貴方.side
半ば諦め掛けた俺の虚ろな目を、彼は嘲笑うかの様に見詰めて
呆れた顔と口調、怒涛の勢いで単語の一つ一つを繋いで言った。
「飾りに使うリボンと同じ種類の物が見付からない？」
「うん、全然見付かんない
ロゼットの一部と襟に通す胸元のリボン用のやつ」
俺は掌に包まれた黄緑の紐を強く握り締め
知識を持ち合わせて無い彼にも分かるよう、懇切丁寧に端末に映る画像と握ったリボンの比較を解説し始める。
「原作とアニメ、厚い生地の紐で描かれているじゃん？」
「あぁ」
「両端に金のバイアステープが付いてるリボンって薄くて小さい物は違和感無く余り目立たないんだけど
それが厚い生地となると売ってる店も少ないし、自分で作るとしてもかなりボリュームが出ちゃって形も不格好になっちゃう訳」
結局は現実と妄想では圧倒的に重力とかの前提が違うよね、と残酷な真実を彼の頭に突き付けてしまい
唐突に惨い実態を告げられた方の彼はと言えば、しおらしくションボリとした表情を見せてから拗ねて店内の何処かに行ってしまった。
やっちゃった？ でもさっくんがそんな事如きで悄気るとは思えないし
失礼ながら数分掛けてそんな稚拙な思索に至らせていても、全く見付かる気がしないリボンに不満を募らせて溜め息を吐くばかり
一向にモチベは上がらないし、更に気分は落ち込むしで悲観的な感情だけが脳内に追加されている。
愚直な御託をくどくどと並べていく内に、何時の間にか周囲の雑音を遮断して迄
益々物探しに没頭していた俺は、背後から忍び足で迫り来る影に気が付ける筈が無かった。
「...さっくん、なにしてんの」
「三つ編み、見りゃ分かんだろ」
漸く気付いた時には既に、何故か髪を触られている状態。
一番長い部分の毛髪が左右交互に編まれる度に撓み、店内の淡い照明の光で色が飛ぶ黒髪は彼に丁寧に扱われて見事な三つ編みが出来上がってきている。
そんな結髪の最後に飾られた可愛らしい桃色のリボンが宙で揺れた。
「色全然違うぢゃん...
まって、これ何処にあった？」
「あ、此処真っ直ぐ行って右曲がれば」
ふと目に付いた端の金色、厚さは殆ど一緒だしある程度のカラバリだってあっても可笑しくは無い。
彼が口を閉じる迄待ち切れず、須臾にしてその場から立ち去り目的の位置へと駆け出す。
勿論、髪に着いたリボンは取らずに
「あんがとさっくん愛してる〜」
「軽いな、お前の愛」
軽口を叩けば埃も出てくるのがお約束。
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矢代(プロフ) - さらさらさん» 貴重な感想、有難う御座います！ (2022年7月24日 20時) (
レス) id: 47e380d88a (このIDを非表示/違反報告)
さらさら - と、尊いが過ぎる…！！ (2022年7月24日 15時) (レス) @page32 id: 4475130a0e (このIDを非表示/違反報告)
矢代(プロフ) - ネコ日和。さん» ゑ、あ....い、生きてくだせえ！！(必死) (2022年7月11日 20時) (レス) id: 47e380d88a (このIDを非表示/違反報告)
ネコ日和。 - ぶわああああああ‼ちゅ、ちゅーした‼??やばい、え、どう、あ……(困惑)悶え死ぬ運命しか見えん…笑 (2022年7月9日 21時) (レス) @page29 id: 18b130b5d8 (このIDを非表示/違反報告)
矢代(プロフ) - ネコ日和。さん» 反則級にイチャつかせました(笑) 大丈夫、ショタ好きは共通性癖です😌👍。ラフの状態ではもっと距離近いかも...、作者の私でも｢もっとやったれ!!｣ってなってるから多分皆そうだと思う(妄想)。 (2022年7月3日 20時) (レス) id: 47e380d88a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：矢代 | 作成日時：2022年6月5日 15時
