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74話 ページ36

夜道を歩きながら、兵長と雑談するのはとても楽しい。

彼は今日の訓練の話しと、リヴァイ班のことについて話してくれた。


「あ、兵長」

「なんだ」

「兵長はチーズっていうの食べました?」

「あの状況じゃ食うにも食えねぇだろ」

「物凄い騒ぎになっちゃいましたね、食べたことはあるんですか?」

「ある」

「好きですか?」

「あぁ、酒によく合う」


あ、そうか、彼もお酒を飲むんだ。
今まで特に考えたことは無いが、彼もそれなりに年齢を詰んだいい大人だ。


「そういやお前」

「はい」

「随分とすっきりしたじゃねえか」

「髪ですか?」

「あぁ」

「似合います?」


尋ねた途端に彼は足を止め、こちらを振り向く。それに反射的に僕を足を止め、びくっと肩を揺らした。

じっと確かめるように眺められ、気恥しい。


「そうだな」


微かに目元を細めて、手を伸ばしてくる。その指先は短くなった前髪に触れ、流れるように頬を撫でた。


「顔がよく見える」


また彼はこうやって嬉しいことを軽々と口にするのだ。

本当にかなわない。


「赤いぞ」


頬から耳を軽く摘むように触れられる。
確かに、自分でも分かるぐらい顔が熱い。


「貴方のせいですよ」

「そうかよ」


頬から頭に手が乗ると、ぐしゃぐしゃと乱雑に撫でられた。髪の毛は乱れて少し力も強いけど、凄く嬉しくなった。

それに、撫でやすくもなったな。と彼は言い、手を離してはそのまま道なりに歩き出した。


「兵長」


また、斜め後ろを歩きながら


「なんだ」

「ありがとうございます」


返事はない。
でも、微かに彼は微笑んだように見えた。


幾度と無く彼に与えられるこの至福は、きっとかけがえのないもので、僕の心に溜まっていく。

何かお返しが出来たらなとは思うけど、彼が何が欲しいとか、好きとか、楽しいとか、あまり良く知らないものだから。


いつか、与えられた分、それ以上のものが返せたら。


出来れば、壁外調査が始まる前に。
何か、なにかを彼の中に刻みたい。

忘れられないように。

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やし野(プロフ) - Soleilさん» ありがとうございます、絵を褒めてもらえるのは嬉しいです!! かっこいいと言われて主人公くんも喜んでるはず!笑 (2018年7月10日 17時) (レス) id: 3f26a78505 (このIDを非表示/違反報告)
Soleil(プロフ) - イラスト拝見させて頂いたのですが、めっちゃかっこいいですね!絵がとてもお上手ですね (2018年7月10日 14時) (レス) id: bc0cb92646 (このIDを非表示/違反報告)
やし野(プロフ) - Rainさん» 嬉しいお言葉たくさんありがとうございます〜!マイペースに頑張っていくので宜しくお願いします!! (2018年7月2日 17時) (レス) id: 3f26a78505 (このIDを非表示/違反報告)
Rain - すっごく面白いです!!これからも頑張って下さい!応援してまーす!更新楽しみにしてます! (2018年7月1日 22時) (レス) id: e08e47c2f9 (このIDを非表示/違反報告)
やし野(プロフ) - Soleilさん» ありがとうございます。コツコツ書いていくので今後とも宜しくお願いします(^O^) (2018年6月25日 21時) (レス) id: 3f26a78505 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:やし野 | 作成日時:2018年3月31日 23時

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