67話 ページ29
何やかんやと3人で話をしていると、コンコンとドアがノックされた。
はい、と返事をする。ドアを開けて顔を出したのはハンジさんだった。
僕は急いで立ち上がり、敬礼をする。
「いいっていいって、病み上がりなんだから」
「座って座って」と促す言葉に甘えて、椅子に座り直す。
副分隊長のモブリットさんも来てくれている。ちょっと顔がげっそりしてるけど。
「調子はどうだい?よくなった?」
「はい、大丈夫です。ご迷惑をお掛けしてすみません」
「いやいや、こっちこそ気付けなくて申し訳ないよ。聞いてると思うけど今日は1日休んで、そっちの隊長さんにもAの休暇許可は貰ってるからね」
そうか、だから誰も起こしにこなかったのか。
「ありがとうございます」
「にしても、自分の体が疲れてるのかどうか把握出来るようになってもらわないとね、壁外調査の時に倒れたら大変だ」
「わ、わかりました。気を付けます」
話の途中でハンジさんにロイドの鼻が赤くなっている事を指摘されて、随分と嫌味ったらしく先程のことをロイドに言われてしまった。
ハンジさんは可笑しそうに笑っていて、ロイドは不服そうに唇を尖らせている。
ひとしきり会話を済ませると、じゃ、とハンジさんはやることがあるからと戻って行く。モブリットさんも「お大事にな」と言葉を添えて部屋をあとにした。
気を付ける、とは言っても、どう気を付ければいいんだろう。疲れを感じないわけじゃない、自分の限界を知らないだけだろうか。
「そういえばA、訓練兵の時も1回倒れたよね」
「え?」
訓練兵のときに?僕が?
全く記憶にない。
「あれ倒れたのか?寝落ちじゃねえの?」
「……全然記憶にないけど」
部屋を見回っていたリチェが、ふふん、といったように笑うとベッドに座っているロイドの隣に腰を下ろした。
「夕食の時間だったかな、普通にその日あったことを皆で話してたら、Aいきなりゴンッて机に突っ伏しだしてさ」
そんなことがあったのか。
覚えがないが、昔から身体の異常に気付けないところがあるらしい。
壁外調査中にそんなことがあっては周りに迷惑が掛かってしまう。
昨日が訓練中でまだマシだった。
この事も含めて、調査兵団に参加する間の事を隊長に相談した方がいいかもしれない。
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やし野(プロフ) - Soleilさん» ありがとうございます、絵を褒めてもらえるのは嬉しいです!! かっこいいと言われて主人公くんも喜んでるはず!笑 (2018年7月10日 17時) (レス) id: 3f26a78505 (このIDを非表示/違反報告)
Soleil(プロフ) - イラスト拝見させて頂いたのですが、めっちゃかっこいいですね!絵がとてもお上手ですね (2018年7月10日 14時) (レス) id: bc0cb92646 (このIDを非表示/違反報告)
やし野(プロフ) - Rainさん» 嬉しいお言葉たくさんありがとうございます〜!マイペースに頑張っていくので宜しくお願いします!! (2018年7月2日 17時) (レス) id: 3f26a78505 (このIDを非表示/違反報告)
Rain - すっごく面白いです!!これからも頑張って下さい!応援してまーす!更新楽しみにしてます! (2018年7月1日 22時) (レス) id: e08e47c2f9 (このIDを非表示/違反報告)
やし野(プロフ) - Soleilさん» ありがとうございます。コツコツ書いていくので今後とも宜しくお願いします(^O^) (2018年6月25日 21時) (レス) id: 3f26a78505 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:やし野 | 作成日時:2018年3月31日 23時