65話 ページ26
「少しだけ。でもまだ起きてたいです」
まだ、まだ。
この時間を味わいたい。
相変わらず彼の手は僕に触れているままで、撫でたり、動かさないで添えたままだったり。
「兵長」
「ん」
「キスしてほしい」
恥ずかしさを覚えながらも、今、彼にもっと触れて欲しくてたまらなかった。
兵長は目を細めて、ああ、と短くこたえる。そして靴を脱ぐと、ゆっくりとした動作でベッドに足を上げ、僕の顔の横に肘をつくと横から覆い被さる様に口付けをしてくれた。
濡れた髪の毛が顔に張り付くようにあたる。冷たい。
唇のやわらかさ、彼の吐息、香り、体温。
全てが心地良い。
目を閉じるとそのまま眠りに落ちてしまいそうで、薄らと瞼を開ける。
彼は目を閉じていた。
唇が自然と離れると、ふぅ、と呼吸をしなおす。何だか体がたくさん酸素を必要としてるみたいで、少しだけ苦しい。
そのまま彼が屈めていた背を起こそうとしてしまうものだから、思わず服を掴んで止めてしまう。
「も、もうすこし」
兵長は薄く笑みを零して、また覆いかぶさると優しく額に口付けをしてくれた。
額、目尻、頬、と順に。
再び唇が重なると、僕は掴んでいた服を離して、彼の背中へと腕を回す。
下唇を捲るように啄まれ、彼の舌が探るように歯列をなぞった。僕は口を薄く開き、自らも舌を差し出して応えた。
口の中を這う生暖かい感覚が気持ちよくて、呻くような声が出そうになる。
息も苦しい、のまれてしまいそう。
唇が離れると、どちらかのとも分からない唾液が糸を引く。
「いいか」
「ん？」
「抜いていいか」
なに？と聞き返しそうになって、彼の手の甲が僕の下半身を撫でたところで理解する。自分では気付かなかったが、触れられて下がキツくなってるいるのが分かった。
「……ぼくのを？」
「ああ」
「あなたが？」
「ああ」
うそだろ、と思って確認を取ってみるが、彼は表情ひとつ変える事なく頷いた。
自慰をした事かない訳では無いが、そういう事への欲求があまりないのか自分でさえ回数が少ない。
なのに、彼に、リヴァイ兵長にされる事になるなんて思いもしてなかった。
「嫌か？」
そんなふうに訊くなんてずるい。ましてや好きな人なのだから、嫌なことは無い。
「い…やじゃ、ないです」
兵長は僕がそう言い終えると「うん」と一言零し、ベルトのバックルに手を掛ける。
僕は、ぎゅっと、目を閉じた。
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やし野(プロフ) - Soleilさん» ありがとうございます､絵を褒めてもらえるのは嬉しいです!! かっこいいと言われて主人公くんも喜んでるはず!笑 (2018年7月10日 17時) (
レス) id: 3f26a78505 (このIDを非表示/違反報告)
Soleil(プロフ) - イラスト拝見させて頂いたのですが、めっちゃかっこいいですね！絵がとてもお上手ですね (2018年7月10日 14時) (レス) id: bc0cb92646 (このIDを非表示/違反報告)
やし野(プロフ) - Rainさん» 嬉しいお言葉たくさんありがとうございます〜！マイペースに頑張っていくので宜しくお願いします！！ (2018年7月2日 17時) (レス) id: 3f26a78505 (このIDを非表示/違反報告)
Rain - すっごく面白いです！！これからも頑張って下さい！応援してまーす！更新楽しみにしてます！ (2018年7月1日 22時) (レス) id: e08e47c2f9 (このIDを非表示/違反報告)
やし野(プロフ) - Soleilさん» ありがとうございます。コツコツ書いていくので今後とも宜しくお願いします(^O^) (2018年6月25日 21時) (レス) id: 3f26a78505 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やし野 | 作成日時：2018年3月31日 23時
