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電話は松本さんがいる病院にすぐに繋がった。
が、暫く待たされた後、松本さんは休みだと告げられた。
「どうにかして連絡取れませんか？
そうだ、松本さんの携帯の番号は……」
『申し訳ございませんが個人情報はお教えすることが出来ません』
そりゃそうだよな。
諦めて電話を切るしかなかった。
日野が松本さんと一緒にいるという確信がある訳じゃないし。
もしかしたら渋木の所かもしれない。
家で熱を出して寝ているだけかもしれない。
日野の家にかけた電話は留守電に繋がって、本人が出ることはなかった。
嫌な予感がした。
日野病院に電話をすれば両親のどちらかと話せるはずだ。
かけた電話はあっさりと日野の母親に回された。
「突然すみません、Aさんの担任の櫻井と申します」
『何でしょう？』
「Aさんが欠席しているのですが、体調不良か何かでしょうか」
『ああ、あの子なら出ていきました』
「出ていった……と言いますと」
『今朝、ちょっと叱責したら家を飛び出して行ったんです』
「飛び出した……！？」
『家庭内の問題です、先生には関係のないことですので』
「しかし……Aさんは今どこに」
『さあ。そのうち帰って来るから放っておいて下さい』
「そんな。お嬢さんが何かに巻き込まれでもしたら」
『私は忙しいので。では』
「待って下さい、お母さん！」
一方的に通話が切られる。
受話器からは機械音が聞こえるだけ。
日野が出ていった？
何処へ行ったんだよ。
一体何があったんだ？
また母親に酷いことを言われたのか。
何度傷付けられるんだよ、あいつは。
親の癖して何なんだよ、あの母親。
探しに行きたいけど、次は授業が入ってる。
どうして日野の携帯番号を知らないんだ、俺は。
渋木の所かもしれない。
授業が終わったら渋木に電話……ああっ、渋木の番号も知らないんだった。
他の生徒に聞くか？
１日いなかった位で何を慌ててるんだって勘繰られないか？
駄目だ、動揺してる。
少し落ち着こう。
そうこうしているうちに授業開始の時間が迫る。
行かなきゃ。
いや、でも……
「お疲れ様です」
冴木先生が入ってきた。
次は空いているのか、席に座ってノートPCの電源を立ち上げ始める。
冴木先生は突っ立ったままの俺を見て、不思議そうな顔をした。
「もう時間ですよ、櫻井先生」
「……わかってる」
後ろ髪をひかれながら教科書を持って、俺は英語科準備室を後にした。
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yuko(プロフ) - じゃじゃ丸さん» じゃじゃ丸ちゃん、感想ありがとう♪相手が相手だけに先生も色々悩んでいると思うけど…このままじゃ誰も幸せになれないよね。ありがとう、更新頑張ります！ (2018年4月8日 16時) (
レス) id: 8fa3a5d6f1 (このIDを非表示/違反報告)
yuko(プロフ) - ゆりさん» ゆりちゃん、感想ありがとう♪普通に考えたらやりすぎだよね、櫻井先生。でもやっぱり放っておけないんだろうなあ…かといって主人公とどうにかなる訳にもいかないし。先生が主人公を助けてくれて、主人公もその存在の大きさに気付いてくれればハッピーエンドなのに。 (2018年4月8日 16時) (レス) id: 8fa3a5d6f1 (このIDを非表示/違反報告)
yuko(プロフ) - ともさん» ともちゃん、感想ありがとう♪イライラモさせちゃってごめんね。冴木先生への想いが愛かと聞かれると、そうじゃないかもしれない。ただ、先生が先生で有る限り生徒とどうにかなることは禁忌で、櫻井先生なりに必死に抑えているってことをわかって頂ければ嬉しいです。 (2018年4月8日 16時) (レス) id: 8fa3a5d6f1 (このIDを非表示/違反報告)
yuko(プロフ) - yuriyuriさん» yuriyuriちゃん、感想ありがとう♪先生は主人公が高校生である限り絶対に手を出してはいけない存在だから、自分の本当の気持ちから目を逸らそうと必死なんだよ。世の中にそういう話は溢れてるけどね( ；∀；)楽しみにしてくれてありがとう！ (2018年4月8日 16時) (レス) id: 8fa3a5d6f1 (このIDを非表示/違反報告)
じゃじゃ丸(プロフ) - 先生(T_T)色々立場上あるのはわかりますが…先生、冴木先生とはちょっとショック…でもなぜか読んでて楽しいです！続き楽しみにしてます (2018年4月3日 12時) (レス) id: deae478e9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yuko
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=yashikonbu
作成日時：2018年2月28日 1時
