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「元気そうで良かったよ」
コーヒーを啜りながら裕貴が笑う。
傍から見たら、私達はよくいる普通のカップルだろう。
本当はそうじゃないのに。
「ごめんなさい、勝手に出て行って」
「本当だよ、酷い女だな」
冗談なのか本気なのかわからない。
笑い交じりに言う裕貴を怖いと思ったのも束の間。
「こんなこと、俺が許すと思う？」
目を細めた裕貴が、上目で私を見る。
「俺と別れたいんなら仕事くらい辞めろよ。
簡単に捕まえられるってわからなかったの？」
「え……？」
「戻って来い、A。
あいつのとこにいるのは知ってるんだよ」
あいつって……櫻井くんのこと？
どうして……
動揺する私を見て、裕貴はニヤリと笑った。
「やっぱりね」
「……」
「けど、あいつを信用しちゃいけない。
あいつは俺達を陥れようとしているんだ」
声を潜める裕貴。
どういうこと？
「半年前、翔に会ったんだよ。
お前のことを根掘り葉掘り聞いて来てさ。
あの時からあいつの計画はきっと始まってたんだな」
「計画……？」
「俺達を別れさせる計画だよ。
俺が女連れでいるところをお前に見せたのもわざとだろ」
え……？
何を言っているの？
裕貴は浮気を繰り返していたんじゃないの？
わざと見せたってどういうこと？
「翔は賢い男だ。お前を騙すことぐらい軽くやってのける」
「どういう意味……？」
「あいつは俺に嫉妬してた。
俺からお前を奪って優越感に浸りたかっただけだろ。
お前のことなんか愛してない」
そんな……
そんなことない。
櫻井くんはいつも優しくて、私を大事にしてくれて。
ちゃんと好きだって言ってくれるもの。
私を愛していないのは裕貴の方じゃない。
「あいつの言葉は全部嘘。信用しちゃ駄目だ」
「嘘？それは裕貴が」
「信じてよ、俺のことをわかってくれるのはお前しかいない。
とにかく戻って来て、お願い。
お前がいなくなってから家の中がぐちゃぐちゃなんだよ」
裕貴が必死に訴えるように言う。
「俺は……Aがいないとダメなんだよ……」
いつも自信に溢れていて陽気な裕貴が、泣き出しそうな顔をする。
初めて見た裕貴の表情に、胸がギュウっと締め付けられた。
私は何て事をしたんだろうと。
７年間も連れ添ったこの人を、こんな風に傷付けてしまったんだと。
「帰って来て、待ってる」
裕貴は涙を浮かべてそう言った。
私に向かって頭を下げて、カフェを出て行った。
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yuko(プロフ) - よっしーさん» よっしーちゃん、感想ありがとう♪新しいお話を立ち上げますよ〜長らくお待たせしちゃってごめんなさい！ (2018年3月15日 0時) (
レス) id: c2650238d0 (このIDを非表示/違反報告)
よっしー - ドキドキハラハラしたよ(*_*)続きが楽しみだよ〜。更新待ってるね(^o^)/ (2018年3月3日 15時) (レス) id: a1ac4d5582 (このIDを非表示/違反報告)
yuko(プロフ) - keiさん» keiちゃん、感想ありがとう♪ドキドキしてくれてありがとう！そうそう、イケメンってのはそれだけで正義だから(笑)更新が滞っててごめんね、章を変えて次のお話を書こうと思ってます☆ (2018年3月2日 23時) (レス) id: c2650238d0 (このIDを非表示/違反報告)
yuko(プロフ) - ゆりさん» ゆりちゃん、感想ありがとう♪うんうん！主人公のことを愛してくれるんなら構わない、逃げ道塞がれたようでちょっと怖いけど、そんなところも好き(*´∀`*)全然更新できなくってごめんね、そろそろ次のお話に手を付けようかと思ってます☆ (2018年3月2日 22時) (レス) id: c2650238d0 (このIDを非表示/違反報告)
yuko(プロフ) - ﾅｵさん» ﾅｵちゃん、感想ありがとう♪色々と負の感情を引き出しちゃってごめん(-人-;)確かに七瀬さんは口が軽いね、仲良くなりたくないかも。裕貴も最低だけど主人公も浮気してたから大概だよねｗ賢い翔さんはまんまと主人公を手に入れたって訳です(*´∀`*) (2018年3月2日 22時) (レス) id: c2650238d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yuko
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=yashikonbu
作成日時：2018年1月16日 0時
