34 姉さん、事件です ページ34
「何してんだって聞いてんだよ、カズ」
「説教だよ、見たらわかるでしょ」
「説教？なんで……？
A、泣いてんじゃん」
雅紀くんが二宮さんを責めるように言う。
どうしよう、二宮さんは悪くないのに。
「雅紀くん、違うの。二宮さんは」
「何が違うの？カズに泣かされたんでしょ？」
「それは私が悪くて……」
「Aに何かしたら許さないって言ったよね、カズ」
「雅紀くん、聴いて」
「もういいよ！まあくんはいつもAAって！」
二宮さんが突然大きな声を出す。
「俺がどんだけまあくんの為に生きて来たかわかってないんだろ！」
「は？何だよそれ」
「小３のとき、おねしょを俺のせいにしただろ！
お前の代わりに俺が母ちゃんに叱られたんだからな！」
「え……」
「それに中２のとき！日本史の30点のテストを庭にこっそり埋めてやったのも俺なんだからなっ！」
小３でおねしょ？
中２のテスト？
いやいや、たしかにびっくりだけど。
いきなり何を言い出すんだ、二宮さん！
さすがの雅紀くんも焦り出す。
「わあっ、やめろっ！今そんなの関係ないだろっ！」
「もっともっとあるぞ！
小６で父ちゃんの大事にしてたトロフィーを壊した時も俺のせいにした！
俺の看病をするからって学校をさぼって休んだのは苦手な弁論大会の時だったよな！」
「だっ、だから何だって言うんだよ！」
「俺はいつもまあくんの味方だったのに！
まあくんを一番わかってるのはこの俺だったのに！
ダシにされたって身を粉にしてまあくんの言うことを聞いていたのに！」
そこまで叫んで、二宮さんが急に大人しくなる。
黙って聞いてたら、結構なやりようだな雅紀くん。
二宮さんが可哀想になってきた。
雅紀くんもさすがにまずいと思ったのか、二宮さんに謝る。
「ごめん、カズ……」
すると二宮さんは、子犬のような目で雅紀くんを見た。
「楽しかったんだよ、まあくんと一緒にいたら。
大好きだったんだよ、まあくんのこと」
「カズ……」
「もういいよ、二人で勝手にやってろよ。
俺はもう知らない」
ひとり席を立つ二宮さん。
そのままお店から出て行ってしまった。
シンと静まり返ったままの店内。
お客さんの注目を一身に集める雅紀くんと私。
いかん！ここがファミレスだってことを忘れていた！
「……帰ろうか」
気まずい雰囲気の中雅紀くんがそう言って、私達もファミレスを後にした。
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もここ*(プロフ) - ワンコは予想外でした！カズは亡くなってるのかな、って思ったけどまさかのワンコ！それを知って思い返せば、おねしょとか看病とか…ん？って読んだ時に感じた違和感が納得に変わって凄いって感激。読了後のほわほわ感が半端ない(●≧艸≦)素敵なお話をありがとう！ (2019年3月13日 8時) (
レス) id: a563d1ab23 (このIDを非表示/違反報告)
卯奈 - あああ〜！最高な物語です！最後のは予測不可能です。独特な発想で新しい物語、素敵です！素晴らしい物話ありがとうございました！ (2018年1月14日 16時) (レス) id: 2ee62e6d6e (このIDを非表示/違反報告)
みーこ(プロフ) - 一気読みしてしまいました。(*´∇｀*) 和くんは何時もどんなときも、形を変えながら依り代を変えながら、時を越えても大好きな雅紀君に寄り添って行くのですね。( 〃▽〃) この主人公ちゃん大好きです。ヽ(*´▽)ノ♪ (2018年1月11日 20時) (レス) id: 84fdbed2f6 (このIDを非表示/違反報告)
yuko(プロフ) - ゆりさん» ゆりちゃん、感想ありがとう♪カズ＝犬を予想していなかった！？冒頭からバレバレだと思ってたけど違ったんだね(笑)プロポーズしてくれたよ、私も雅紀くんに言われたいｗこちらこそいつも読んでくれてありがとう！また新しいお話が浮かんできたので両立頑張ります♪ (2018年1月7日 10時) (レス) id: c2650238d0 (このIDを非表示/違反報告)
yuko(プロフ) - ﾅｵさん» ﾅｵちゃん、感想ありがとう♪そうなんだよ！だから最初からカズはまあくんの言うことが絶対だったし玄関で帰りを待っていたりと犬モード全開だったの！忠犬だよ〜まあくんにとって主人公が一番だからカズも従うはず。櫻井カップル？考えてもみなかった！ (2018年1月7日 10時) (レス) id: c2650238d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yuko
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=yashikonbu
作成日時：2017年12月7日 7時
