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「失礼しまーす」
英語科準備室のドアをノックして入る。
「はい……あら、日野さん」
冴木先生が笑顔を見せる。
今日も綺麗。
ちょっぴり嫉妬。
いいなあ、冴木先生はいつも櫻井先生と一緒にいられて。
こんな近くで、いつも櫻井先生の存在を感じられて。
で、櫻井先生は……？
席は空っぽ。
不在のようだ。
「櫻井先生に用事？」
「あ、はい。ちょっと聞きたいことがあって……」
「櫻井先生ね、さっき教頭先生に呼び出されちゃって。
急ぎ？勉強のことなら私でも答えられるけど」
「……そっか、そうですよね」
本当は櫻井先生に聞きたかったんだけどなあ。
櫻井先生と話すチャンスだったのに。
でも、今日じゅうに聞いておきたいんだった。
今回だけは冴木先生に頼ろうかな。
「あの、ここなんですけど……」
「どれどれ？」
私が差し出した本を見て、冴木先生の動きが止まる。
「え……？
この本……」
どうしたんだろう。
冴木先生もこの話が好きとか？
「櫻井先生のものよね？」
「はい、訳してみろって言われて」
「どうして……
どうしてこれを、日野さんに……？」
冴木先生の顔色が変わる。
何？
この本は何か特別なの？
この本には何か秘密があるの？
「あの、冴木先生？」
「日野さん」
冴木先生の綺麗な瞳が、私を見詰める。
さっきまでニコニコしていたのが嘘みたいに、思い詰めたような眼差しで。
「ごめんなさい、私……勘違いしてた」
「え？」
「日野さんは他の子と違って、私を敵視しないし櫻井先生に媚も売らない。
授業も真面目に受けてるし、だからつい……油断してた」
「……」
「悪いことは言わない。櫻井先生のことは諦めなさい」
冴木先生は、きっぱりと言った。
大きくて真っ直ぐな瞳は、私を諭すよう。
「あなたは櫻井先生にとって特別なのかもしれない。
だけどそれは、日野さんが日野さんだからじゃないの」
「どういう意味……ですか……？」
私が私だからじゃない……？
一体どういうこと？
冴木先生は何が言いたいの？
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しらぽん - りかさんと櫻井先生の話にはほんとに感動して、涙か止まりません！！早島先輩も可愛いし、ほんとにこの物語大好きです！いつも応援してます！ (2017年8月16日 20時) (
レス) id: 8e1111f078 (このIDを非表示/違反報告)
yuko(プロフ) - ミカさん» ミカちゃん、感想ありがとう♪早島先輩かっこいいでしょ？ヘタレだと思われてるかもしれないけど、やるときはやる男なのよ！主人公モテモテだね。本人は全然気付いてないけど。先輩にこんなに想われていてうらやましいけど、もうすぐ遠距離なのだー( ；∀；) (2017年8月2日 0時) (レス) id: 7b49a3b518 (このIDを非表示/違反報告)
yuko(プロフ) - ゆりさん» ゆりちゃん、感想ありがとう♪先生も早島先輩も、そして主人公も。それぞれに辛い思いを抱えているという切ないお話。皆が皆幸せになれればいいのだけど、三角関係なだけに誰かが幸せになったら陰では誰かが悲しい思いをしないといけなくなっちゃうね(T_T) (2017年8月2日 0時) (レス) id: 7b49a3b518 (このIDを非表示/違反報告)
ミカ(プロフ) - 櫻井先生に正面きって主人公ちゃんのこと泣かせたら許さないって言ってくれる早島先輩イケメン( ；∀；)でも主人公ちゃんとしては櫻井先生の反応に心が痛みますよね、、早島先輩サイドで、先輩の焦りとか主人公ちゃんへの想いが伝わってきてキュンとしました(*´ω｀*) (2017年7月27日 8時) (レス) id: 0a45e69d80 (このIDを非表示/違反報告)
ゆり(プロフ) - やっぱり先生だ！先生サイドになって考えると好きだと言えない辛さ…(T^T)先輩としてはやっぱり主人公ちゃんを幸せにしたいですよね(。´Д⊂)なのにもうすぐ大阪…遠いなぁ〜( ；∀；)先輩の気持ちも痛い程伝わってきます！どうか皆幸せになれますように… (2017年7月27日 6時) (レス) id: aebdb910e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yuko
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=yashikonbu
作成日時：2017年6月19日 6時
