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先輩の家は、相変わらず人の気配がなくて。
それでも、以前来た時よりも綺麗に片付けられていた。
「昨日ね、緊張して眠れなくて、掃除を始めたら止まんなくなっちゃって。
もうすぐここも引き払うから、ちょうどよかったんだけどね」
先輩が明るく笑う。
もうすぐ先輩のおうちは無くなってしまうのに。
頼れる家族も、帰る家もなくなるなんて。
「先輩……不安じゃないんですか？」
「不安？」
「だって、実家が無くなるんですよね？」
「んー、そうだね。
でも自分から望んだことだし、親の意向でもあるし」
ニコって笑った先輩が、私の頭をポンポンしてくれる。
「優しいね、Aちゃん。
心配してくれてありがと」
首を振って、先輩に体を預ける。
先輩だって辛いはずなのに。
どうしていつも笑っていられるんだろう。
私だって、家から出たいとは何度も思っているけど。
実家が無くなって、家族がバラバラになるなんて、想像もつかない。
「砂」
先輩が、私の耳の上辺りをはらう。
さっき外で一生懸命ほろったのに。
「ごめんなさいっ、お掃除したばっかりなのに」
「フフ、大丈夫。
シャワー使う？髪洗った方が……」
「シャワー……」
「あ、違うよっ！
別にやらしいことをしようだなんてこれっぽっちも……」
焦りだす先輩が、可愛くて。
何だか困らせたくなって、「お借りします」って言うと、先輩は赤い顔で私を見た。
シャワーで流したのは、泥と砂だけじゃない。
私の先生への片思いも、これでおしまい。
そう決めて、先輩から借りたＴシャツを着て。
私は浴室を出た。
「ありがとうございました」
リビングのソファに座っていた先輩は、私を見て急にバッと立ち上がる。
「どういたしまして」なんて言ってるけど、確実にオロオロしていて。
可笑しくなって笑ったら、先輩も笑顔になった。
「やっと笑った」
「え？」
「んふふ、おいで」
先輩が伸ばした手に、素直に掴まる。
先輩といたら、笑顔になれる。
先輩といれば、私はきっと……
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しらぽん - りかさんと櫻井先生の話にはほんとに感動して、涙か止まりません！！早島先輩も可愛いし、ほんとにこの物語大好きです！いつも応援してます！ (2017年8月16日 20時) (
レス) id: 8e1111f078 (このIDを非表示/違反報告)
yuko(プロフ) - ミカさん» ミカちゃん、感想ありがとう♪早島先輩かっこいいでしょ？ヘタレだと思われてるかもしれないけど、やるときはやる男なのよ！主人公モテモテだね。本人は全然気付いてないけど。先輩にこんなに想われていてうらやましいけど、もうすぐ遠距離なのだー( ；∀；) (2017年8月2日 0時) (レス) id: 7b49a3b518 (このIDを非表示/違反報告)
yuko(プロフ) - ゆりさん» ゆりちゃん、感想ありがとう♪先生も早島先輩も、そして主人公も。それぞれに辛い思いを抱えているという切ないお話。皆が皆幸せになれればいいのだけど、三角関係なだけに誰かが幸せになったら陰では誰かが悲しい思いをしないといけなくなっちゃうね(T_T) (2017年8月2日 0時) (レス) id: 7b49a3b518 (このIDを非表示/違反報告)
ミカ(プロフ) - 櫻井先生に正面きって主人公ちゃんのこと泣かせたら許さないって言ってくれる早島先輩イケメン( ；∀；)でも主人公ちゃんとしては櫻井先生の反応に心が痛みますよね、、早島先輩サイドで、先輩の焦りとか主人公ちゃんへの想いが伝わってきてキュンとしました(*´ω｀*) (2017年7月27日 8時) (レス) id: 0a45e69d80 (このIDを非表示/違反報告)
ゆり(プロフ) - やっぱり先生だ！先生サイドになって考えると好きだと言えない辛さ…(T^T)先輩としてはやっぱり主人公ちゃんを幸せにしたいですよね(。´Д⊂)なのにもうすぐ大阪…遠いなぁ〜( ；∀；)先輩の気持ちも痛い程伝わってきます！どうか皆幸せになれますように… (2017年7月27日 6時) (レス) id: aebdb910e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yuko
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=yashikonbu
作成日時：2017年6月19日 6時
