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「女はいた方がいいぞ、中間」
「そうなんですか…？」
「ちなみに結婚するともっといい」
「へえ…」
俺の力説にも、中間はいまいちピンと来ていない様子。
まあ、そうだろう。
結婚が、家族がこんなにいいものだなんて、俺も独身の頃はわからなかったから。
二宮がすかさず口を挟む。
「中間くんもオムツ替えはいっぺんしてみた方がいいよ」
「オムツ替え…ですか…？」
「おしりのプリプリさに悶えること間違いなしですよね、社長！」
「ああ」
二宮んちの娘は６か月。
こいつとオムツ替え談義が出来る日が来るとは思わなかった。
オムツのメーカーは何がいいとか、おしりふきのテクニックとか。
…って。
一体なんの話をしているんだ、俺達は。
「それより。今日はこの後何だ」
「はい、ええと…Ｓホテルで異業種交流会に出席、その後Ｎ社の日室専務と会食。
午後１時からは戦略推進室との会議、３時から経済誌『クオリティ』の取材が入っています」
「交流会に出席する会社の資料は」
「こちらです」
鞄から分厚い資料を取り出す中間。
いくつもの付箋が貼ってある。
「僭越ながら、成長株の会社、業界で注目されている会社に付けさせて頂きました」
「…気が利くな」
「ありがとうございます」
二宮の後釜として俺の秘書になった中間は、なかなか出来る男だ。
戦略推進室のメンバーも中間も、二宮が見つけてきた逸材。
普段はあんなだけど、二宮は人を見る目がある。
やはり上に立つべき男なんだろう。
資料に目を通していたら、車はＳホテルに到着した。
俺は、颯爽と車から降りる。
「行くぞ」
「はいっ」
俺は櫻井商事の社長だ。
クールで、冷静で。
どんな仕事も完璧にこなす、誰もが憧れ羨む存在。
だけど…
震えるスマホを手に取ってタップすると、画面に現れたのは顔を寄せ合う愛する家族の写真。
「社長、顔がにやけてます」
「…うるせえ」
二宮に軽く蹴りを入れて、だらけた顔を元に戻す。
俺は社長。
世界一幸せな、社長だ。
密カゴト 〜社長と私の、内緒の関係 番外編
The End
終わり
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ののか(プロフ) - 何度読み返しても面白くてたまらないです！一番大好きな作品なのでまた番外編たのしみにしてます！！ (2018年11月3日 14時) (
レス) id: 0d9e7fb674 (このIDを非表示/違反報告)
あらもも(プロフ) - 凄く面白かったです！社長と主人公ちゃんがお別れするときに私まで泣いちゃいましたwwできれば駿くんと舞ちゃん、ニノの娘ちゃんが大きくなってからの話も見たいです！ (2018年8月22日 0時) (レス) id: 46dcb039b5 (このIDを非表示/違反報告)
嵐love(プロフ) - 出会い〜恋に堕ちて恋人に為って結婚して子供が出来た所まで読んで疲れたけど楽しかったです。キュンとドキドキも沢山しました。二人は、いつも大きな壁を乗り越えてまた家族で色々な壁にたち無かつて行くのをまた読みたく為りました。家族が成長して行くのを読みたい (2018年6月19日 22時) (レス) id: 6370002464 (このIDを非表示/違反報告)
みる(プロフ) - 急なコメント失礼します!sさんの小説を探している時にこのお話に出会って、気がついたら一気読みしてしまっていました。社長とお別れするシーンからしばらく涙が止まらなくて…w読み終わってみて凄く幸せな気持ちになりました。素敵なお話をありがとうございます!!!!! (2017年8月4日 2時) (レス) id: 29c9cc613b (このIDを非表示/違反報告)
ちなつ(プロフ) - 社長本当に大好きです！ また機会あったらぜひ書いてください！！！！ (2017年5月7日 6時) (レス) id: 449e5ffaa4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yuko
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=yashikonbu
作成日時：2017年2月2日 1時
