55 既視感 ページ18
それからまた、時が経って。
新しい先生がやってくる日が来た。
私は市村先生の病棟の回診についていて、いつものように病室を行き来していた。
「あれ？平松さんだ」
病室を出た市村先生が言う。
廊下を見ると、平松さんと塚原くん、それにもうひとり、男性の後ろ姿。
「おーい、市村先生はここだよー！」
先生が３人に向かって叫ぶと、一斉に振り返る男性たち。
「ああ、いたいた！市村先生！
遥々東京からお越しくださった相葉先生です」
平松さんが市村先生に男性を紹介すると、先生は嬉しそうに笑った。
「おー、雅紀！待ってたよ！」
「お久し振りです、市村先生！」
雅紀…？
何処かで聴いた名前。
市村先生の頭の向こうに見えた顔に、私は息が止まりそうになった。
雷に打たれたみたいな衝撃が全身に走る。
体中に心臓があるかのようにドキドキして、苦しい。
持っていたトレーが、手から滑り落ちて。
ガシャーンという派手な音で、私は我に返った。
四人がこちらを見る。
「おおお、どうしたAちゃん」
「すっ…すいませんっ！手が滑って…」
慌てて床に散らばった物を拾うと、頭の上から聴こえる小さな声。
「A…？」
胸が締め付けられるような声色。
懐かしくて、泣きたくなるような…
でも、そんなはずない。
今初めて会った人だもの。
どうしてこんな風に思うんだろう。
「この子は看護師の柳瀬Aちゃん。
僕のイチオシナースね」
市村先生がふざけて言うと、その人は私が落としたテープをそっと拾って、トレーの上に乗せた。
「相葉雅紀です、よろしくお願いします」
綺麗な顔立ち、柔らかな表情。
少し特徴のある、優しい声。
彼の顔も、手も、その声も。
私の記憶の奥底に刻まれているかのよう。
でも。
私がこの人を知っている筈がない。
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yuko(プロフ) - 嵐Loveさん» 嵐Loveちゃん、感想ありがとう♪ウジウジ主人公にもイラついてきた？（笑）でもすんなりくっつけちゃったらつまらないでしょー！塚原くん本当はいい奴なんだから許してあげて！ (2017年1月20日 0時) (
レス) id: 7b49a3b518 (このIDを非表示/違反報告)
yuko(プロフ) - ゆりさん» ゆりちゃん、感想ありがとう♪本当は２章に収まるはずだったのに、どんどん長くなっていってしまった…衝撃的に美味しいイカってどんなだろう！小樽のお寿司屋さんかな？ルタオのケーキは有名だよね。関係者じゃないけど何だか嬉しい（笑） (2017年1月20日 0時) (レス) id: 7b49a3b518 (このIDを非表示/違反報告)
嵐Love - 夢じゃないよ、現実だよ。だから早く思い出せ!!塚原ね、ほんといい。あいつが変な事言うから相葉くんの事避けちゃったじゃん。せっかくいい感じだったのに。次で最終章か。ちょっと寂しくなるかも(笑)最終章も楽しみにしてます!! (2017年1月17日 17時) (レス) id: 2289edafe1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆり(プロフ) - 次で最終章なんですか！素敵なお話だからもっと長くても…マサキ祭り(笑)北国は食べ物が本当に美味しいですよね(*´∇｀*)初めて旅行で行った時にお寿司屋さんで食べたイカの衝撃的な美味しさが忘れられません(笑)私はよくルタオでケーキを取り寄せしてます！ (2017年1月17日 6時) (レス) id: aebdb910e0 (このIDを非表示/違反報告)
yuko(プロフ) - みーこさん» みーこさん、感想ありがとう♪こちらこそよろしくお願いします！塚原くんムカつきますか？トランプ並み？そんなに癪に障る存在だとは…産みの親としてはショックです（笑） (2017年1月16日 23時) (レス) id: 7b49a3b518 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yuko
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=yashikonbu
作成日時：2016年12月28日 1時
