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荷物をまとめてスーツケースを抱えて、部屋を出ると。
二宮くんがそこに立っていた。
「荷物貸せ」
「えっ…」
「最後くらい面倒みさせてよ」
これで最後…
そうか。
「お願いします…」
「素直でよろしい」
二宮くんが儚げに笑う。
胸が詰まる。
私は、また綻びそうになる心を必死で胸の奥底に閉じ込める。
気を緩めると、全てがバラバラにほつれてしまいそうだから。
でも、自分で決めたこと。
前を向いて歩いていかなくちゃ。
チェックアウトの手続きも、二宮くんがしてくれた。
スーツケースを転がしながらこちらへ歩いてくる二宮くんはキリッとしていて、いつもと違う人みたいだった。
「ほい」
「…ありがとう」
「ん」
「元気でな」
「二宮くんも」
「何かあったら連絡して。いつでも力になる」
「お言葉だけ有難く頂戴しておきます」
「…他人行儀」
フッて笑われたから、精一杯微笑み返す。
私がかつて好きだった人は、失った今もなお好きな人の片腕で。
そんな人に連絡なんて、出来る訳ないよ。
クルリと二宮くんに背を向けて、私は歩き出す。
全てに別れを告げて、私は歩んで行く。
二度と振り返らない。
二度と。
タクシーに乗って、新居に着いたのはもういい時間で。
私は再び、ひとりぼっちの夜を抱える。
TVをつけると、偶然にもそこに映っていたのはサクラノテイオーの姿。
この子を見たのは、翔さんとあの病室で見たTVが最後。
それが今、私の新居で。
視界はすぐに滲む。
だけど、ちゃんと見たくて。
慌てて目を擦った。
なんて美しい。
サクラノテイオーは、風のように走り抜ける。
この子も頑張ってるんだ。
だったら、私だって。
大丈夫。
明日からは、新しい自分になれる。
今日で全部を忘れよう。
だって未来には、騒がしい毎日が待っているはずだから。
私は前だけを向いて、歩いていく。
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ののか(プロフ) - それに、ここまで細かい仕草や言いそうなセリフをかけるのは作者さんが本当に嵐を好きだからなんだな、と思えました。素敵な作品をありがとうございます。続き期待してます。！！ (2018年3月25日 4時) (
レス) id: 0d9e7fb674 (このIDを非表示/違反報告)
ののか(プロフ) - はじめまして（ ; ; ）以前読みましたが、もう一度今読ませていただきました。ほんっとに、1番大好きな作品です。本？を読んで号泣したのは初めてです。めちゃめちゃ感動したし、感情移入できて展開も予想付かなくてまさか嵐みんなとの恋愛が楽しめるとは。笑 (2018年3月25日 4時) (レス) id: 0d9e7fb674 (このIDを非表示/違反報告)
美帆(プロフ) - はじめまして！！二回に分けて全て読ませていただきました。完結おめでとうございます！私自身占ツクの小説、いや心の底からこんなに感情移入しながら読んだお話は初めてでした。とっても素晴らしいお話に出会えて光栄です！！ (2017年12月9日 5時) (レス) id: f7b8c2acb2 (このIDを非表示/違反報告)
ぐっち(プロフ) - 初めまして！完結おめでとうございます！遅れながら一気読みさせてもらいました！途中藍原ちゃんになんでこんなに悲しいことが続くんだろうと涙ボロボロ流しながら読んでいて、でも最後はハッピーエンドで終わってよかったです♪また他の作品も読ませてもらいます！ (2016年10月10日 17時) (レス) id: a4263a8163 (このIDを非表示/違反報告)
♪にじ♪(プロフ) - 完結おめでとうございます！幸せな時間をありがとうございました。半日かけて1話から最終話まで一気読みさせて頂き、途中何度も涙を流しながらハッピーエンドを待ち望んでいました。翔さんどんなパパになるのかな…？またお会いしたいです！ (2016年10月4日 22時) (レス) id: bf019527a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yuko
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=yashikonbu
作成日時：2016年8月25日 6時
