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『…はい』
コール音を5つ数えた時、社長の声が聴こえた。
いつもより低くて、少しだけ掠れた声。
声を聴いただけで、胸がいっぱいになる。
言葉が出ない。
『…A？』
社長が、私の名前を呼んだ。
私の口から、嗚咽が漏れる。
『どうした？今どこにいる』
「第７…会議室…」
『そこで何してる？何があった？』
「うぅ…っ…」
『待ってろ、今行く』
音を立てて切られる電話。
私は受話器を握り締めたまま、動けない。
電話の向こうにいた社長がもういないと思っただけで、胸が張り裂けそうになる。
苦しくて、苦しくて。
呼吸が荒くなる。
早く来て、社長…
でないと私…
「Aっ…！」
ドアがバアンと開いて、社長が飛び込んで来る。
私の様子にひどく慌てているよう。
「どうした！大丈夫か！」
「…っ…」
「おい、A！」
「はあ…っ…」
「くっそ…！何があったんだよ…」
目の前に、社長がいる。
こんなに早く、飛んできてくれた。
「ゆっくり…息を吐け。
そう、吸って…ゆっくり」
大きな掌が、何度も背中を擦って。
それに合わせて深呼吸していたら、段々落ち着いてきた。
私の呼吸が整ったのを確認した社長は、思い詰めたような顔をして、頬に触れる。
「…どうしたんだよ？
誰に何をされた？」
「…」
「A…」
社長は、私の所にちゃんと来てくれた。
放っておかれてなんかない。
こんなにも心配してくれる。
私のことを、ちゃんと好きでいてくれる。
二宮くんが言っていたことなんて、全部嘘。
そう思いたいのに、不安で不安で、胸が潰れてしまいそうだ。
「私は社長と…釣り合わないですか…？」
「何を言い出すんだよ、急に」
「そうならそう言って…」
「そう言われたのか？二宮に」
社長の表情が曇る。
何も言えない私を、じいっと見てる。
「唇…血ぃ出てる」
ハッとして、咄嗟に手の甲で口を隠す。
やだ！
見られたくない。
二宮くんにされたことを、社長に知られたくない。
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yuko(プロフ) - ひびきさん» ひびきちゃん、感想ありがとう♪なぬ！松本課長のスピンオフとな！考えてもみなかった！彼はねえ…ちょっとねえ、キャラが…ｺﾞﾆｮｺﾞﾆｮ (2016年7月15日 0時) (
レス) id: 7b49a3b518 (このIDを非表示/違反報告)
yuko(プロフ) - さーちゃんさん» さーちゃん、感想ありがとう♪あっちにも感想くれたんだね、ありがとう！相葉くんのお話は現在連載中ですよ。翔くんも出てくるけど。私のお話のあいばくんはいつも一般人だよーリアル設定はなぜかどうも書けない！ (2016年7月15日 0時) (レス) id: 7b49a3b518 (このIDを非表示/違反報告)
yuko(プロフ) - 朔夜さん» 朔夜ちゃん、感想ありがとう♪幸せだよね(T_T)ずっとこの幸せが続けばいいのに〜！そうはいかないのがお話の世界なんだー_:('Θ' 」 ∠):_ (2016年7月15日 0時) (レス) id: 7b49a3b518 (このIDを非表示/違反報告)
yuko(プロフ) - 杏さん» 杏ちゃん、感想ありがとう♪二人に試練、訪れます。過去最高の。そうしないと私が思い描くラストに辿り着けないから。ドＳかつドＭな作者でごめんなさいね(ﾉ≧∀≦) (2016年7月15日 0時) (レス) id: 7b49a3b518 (このIDを非表示/違反報告)
ひびき(プロフ) - 潤くんのお誕生日、ここの潤くんのスピンオフとか読みたいなぁ…(笑)可愛くおねだりしてみようかな！？(笑) (2016年7月13日 23時) (レス) id: 621028193c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yuko
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=yashikonbu
作成日時：2016年6月10日 1時
