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抱き合って、何度も確かめる。
私と社長は、ずっと一緒で、同じ気持ちだって。
お互いの体を隔てる肌がもどかしいのに、触れ合えばこんなに心地いい。
「愛してる」って言葉と社長の熱が、私の身体の奥を溶かす。
私はそれを受け止めて、命を繋ぐ。
大丈夫。
私達はこれから、家族になるの。
これからは法律が、私達を守ってくれる。
ヘトヘトで、お腹はペコペコで。
作ったオムライスは、一瞬にして平らげられた。
「明日、有給取れ」
「え？どうして」
「婚姻届出しに行くぞ」
「あ…」
「まさか、まだ書いてないとか言うなよ」
ハッ！
すっかり忘れてた…
「かかか書きますっ！今から！」
「お前なあ…いい加減にしろよ。
やる気あんのかコラ」
社長が怖い顔して、迫ってくる。
ひええ。
さっきまでの甘くて切ない社長はいずこ。
感動のあまり大事に大事に仕舞ってあった書きかけの婚姻届を、社長がバアンとテーブルの上に置く。
「片付けてやるからさっさと書け」
「はいぃ…」
社長が洗い物をする傍らで、ペンを片手に緊張して震える私。
社長の貴重な家事姿を見たいけど、書き間違ったらと思うとそれどころじゃない。
「今更怖じ気付いてんじゃねえだろうな」
「違いますよぉ…」
「今日で藍原Aともお別れだな」
…そうか。
そうなんだ。
この紙を出した瞬間、私は櫻井Aになる。
どうしよう、ああ。
私が櫻井に。
嘘みたい。
「泣いてたら書けねえぞ」
「泣いてないし…っ」
私が鼻を啜ると、社長がハハッって笑う。
「藍原」
「…はい」
「藍原A」
「フフ、何ですか」
「呼び納め」
社長が言う『藍原』が、好きだった。
自分の名字を、こんなに愛しく思えるなんて。
怖いくらい、幸せだった。
この時、私達の未来は明るくて、キラキラ輝いていた。
この人を一生、失いたくないと思った。
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yuko(プロフ) - ひびきさん» ひびきちゃん、感想ありがとう♪なぬ！松本課長のスピンオフとな！考えてもみなかった！彼はねえ…ちょっとねえ、キャラが…ｺﾞﾆｮｺﾞﾆｮ (2016年7月15日 0時) (
レス) id: 7b49a3b518 (このIDを非表示/違反報告)
yuko(プロフ) - さーちゃんさん» さーちゃん、感想ありがとう♪あっちにも感想くれたんだね、ありがとう！相葉くんのお話は現在連載中ですよ。翔くんも出てくるけど。私のお話のあいばくんはいつも一般人だよーリアル設定はなぜかどうも書けない！ (2016年7月15日 0時) (レス) id: 7b49a3b518 (このIDを非表示/違反報告)
yuko(プロフ) - 朔夜さん» 朔夜ちゃん、感想ありがとう♪幸せだよね(T_T)ずっとこの幸せが続けばいいのに〜！そうはいかないのがお話の世界なんだー_:('Θ' 」 ∠):_ (2016年7月15日 0時) (レス) id: 7b49a3b518 (このIDを非表示/違反報告)
yuko(プロフ) - 杏さん» 杏ちゃん、感想ありがとう♪二人に試練、訪れます。過去最高の。そうしないと私が思い描くラストに辿り着けないから。ドＳかつドＭな作者でごめんなさいね(ﾉ≧∀≦) (2016年7月15日 0時) (レス) id: 7b49a3b518 (このIDを非表示/違反報告)
ひびき(プロフ) - 潤くんのお誕生日、ここの潤くんのスピンオフとか読みたいなぁ…(笑)可愛くおねだりしてみようかな！？(笑) (2016年7月13日 23時) (レス) id: 621028193c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yuko
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=yashikonbu
作成日時：2016年6月10日 1時
