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気を取り直してPCを立ち上げていると、声をかけられた。
「藍原さん、ちょっといいかな」
少し離れた席の本部長が、私を手招きする。
「はい…」
本部長に連れられて行ったのは、昨日二宮くんといざこざがあって、そのあと社長が来てくれた第７会議室。
何故またこの部屋に。
「社長から聞いたよ、退職の話」
「せっかく呼び戻して頂いたのに、申し訳ありません…」
「いやいや。
こちらこそ無理を言って悪かったね」
「いえ、声を掛けて頂けて嬉しかったです。
なのに何のお力にもなれず、ご迷惑をおかけしてばかりで…」
「そんなことはない。
藍原さんは今も営業部門のエースだよ」
普段は厳しい本部長が、笑顔で優しいことを言ってくれるから、思わず涙腺が緩む。
「君という人材を失うのは本当に残念だが…
今までよく頑張ってくれた。
ありがとう」
「…ありがとうございました」
深く深く、頭を下げる。
本部長がポンと肩を叩いて、ハハッて笑った。
「そんな恐縮しないで。
君は社長に、本当に大切にされているんだね」
「そんな…」
顔が熱くなる。
社長、本部長になんて言ったんだろ。
大切にされてる、だなんて。
席に戻ると、ハルちゃんが心配顔で寄って来た。
「先輩、どうしたんですか？本部長に呼ばれるなんて…」
「ああ…私ね、退職することになったの」
「ええっ！？」
ショックを隠し切れない様子のハルちゃん。
まるでこの世の終わりのようにオロオロしてる。
「嘘…そんなあ…」
「ごめんね、急に決まっちゃって」
「先輩、戻ってきたばっかりなのに…
一緒に働けて、私、すっごく楽しかったのに…」
「えっ…ちょっと…泣かないで！」
「だってえ…うえーん！」
ハルちゃんが号泣するのを、必死になだめる私。
ハルちゃん…
こんなに私が居なくなるのを悲しんでくれるなんて！
やっぱりいい子！！
「またAがハルを泣かしたー！」
「うるさいなあ！」
「えーん、せんぱーい！」
「相変わらずだねえー」
二宮くんは半ば呆れ顔で笑って、大野課長は眉を下げて笑う。
私は泣きじゃくるハルちゃんをヨシヨシしながら、この会社でこの仲間で働く残り少ない日々を、愛おしく思った。
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yuko(プロフ) - ひびきさん» ひびきちゃん、感想ありがとう♪なぬ！松本課長のスピンオフとな！考えてもみなかった！彼はねえ…ちょっとねえ、キャラが…ｺﾞﾆｮｺﾞﾆｮ (2016年7月15日 0時) (
レス) id: 7b49a3b518 (このIDを非表示/違反報告)
yuko(プロフ) - さーちゃんさん» さーちゃん、感想ありがとう♪あっちにも感想くれたんだね、ありがとう！相葉くんのお話は現在連載中ですよ。翔くんも出てくるけど。私のお話のあいばくんはいつも一般人だよーリアル設定はなぜかどうも書けない！ (2016年7月15日 0時) (レス) id: 7b49a3b518 (このIDを非表示/違反報告)
yuko(プロフ) - 朔夜さん» 朔夜ちゃん、感想ありがとう♪幸せだよね(T_T)ずっとこの幸せが続けばいいのに〜！そうはいかないのがお話の世界なんだー_:('Θ' 」 ∠):_ (2016年7月15日 0時) (レス) id: 7b49a3b518 (このIDを非表示/違反報告)
yuko(プロフ) - 杏さん» 杏ちゃん、感想ありがとう♪二人に試練、訪れます。過去最高の。そうしないと私が思い描くラストに辿り着けないから。ドＳかつドＭな作者でごめんなさいね(ﾉ≧∀≦) (2016年7月15日 0時) (レス) id: 7b49a3b518 (このIDを非表示/違反報告)
ひびき(プロフ) - 潤くんのお誕生日、ここの潤くんのスピンオフとか読みたいなぁ…(笑)可愛くおねだりしてみようかな！？(笑) (2016年7月13日 23時) (レス) id: 621028193c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yuko
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=yashikonbu
作成日時：2016年6月10日 1時
