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あまりのことに唖然として、言葉が出てこない。
営業本部のフロアには、何故か私と社長の二人きり。
社長は何も話さない。
黙ったまま、二宮くんが乗っていったエレベーターの扉をじっと見詰めていた。
「…何なんだよ、あいつ」
社長が苛ついた口調で話す。
「あのっ…ごめんなさい、二宮くんが失礼なことを…」
「…」
「あの人、私の同期で」
「知ってる」
え…
知ってたんだ…？
そっか、社長だもん。
二宮くんは営業成績もいいし、知ってて当然か。
「なんでお前が謝るんだよ。
まだ仕事してるっていうから来たのに…
何やってんだよ、お前ら」
「私は…っ！残業してただけで…」
「昔の男と？」
社長が冷たい目で、私を見下ろす。
嘘…
二宮くんが元彼だって、社長は知っていたの？
「事実だろ」
「何年も前の、終わった話です」
「向こうは終わってなかったみたいだけど」
…そんなの。
今さっき、初めて聞いたのに。
そんな、責めるように言わなくても…
「残業も休出も、全部あいつと一緒だったから張り切ってたのかよ」
「違います！」
「…」
「私はただ、仕事を頑張りたくて…
社長に釣り合うようになりたくて…」
ただ、それだけだったのに。
社長は誤解してる。
どうしてこんなことになっちゃったの。
二宮くんとは、本当に何もないのに。
やっぱり、最初からちゃんと言っておけばよかった。
「…認めたくねえけど」
社長が、眉間に皺を寄せて話す。
「あいつが言ってることの方が正しいわ」
どういうこと…？
二宮くんが、正しい？
何が？
「俺はお前をあいつに渡す気なんて更々ないけど」
社長…
安堵して、身体中から力が抜ける。
でも次の瞬間。
社長の言葉に、私は耳を疑った。
「お前はもう頑張るな」
今、なんて？
頑張るなって言った？
…どうして？
「これ以上無理すんな」
「無理なんかしてな…」
「黙って言うことを聞け」
社長は苛立ちを隠さない。
初めて会った時のような威圧的な態度で、反論は一切許されない。
何故？
私はきっと、もっとやれる。
もっと頑張りたいのに。
仕事も、家のことも。
社長に、よくやったなって認めてほしかったのに。
どうして…
社長はそのまま、フロアを出ていった。
何も言えない私をひとり残して。
その日、社長は家に帰って来なかった。
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yuko(プロフ) - ひびきさん» ひびきちゃん、感想ありがとう♪やっぱりたくさんあるよね、社長さんと恋するお話。ごっちゃになるって呟いてるのを見て、ハッとしたのです。この話は大丈夫なのかと！(笑)大好きと言ってもらえて安心したよ、ありがとう♪ (2016年6月10日 0時) (
レス) id: 8fa3a5d6f1 (このIDを非表示/違反報告)
yuko(プロフ) - ひのきさん» ひのきさん、感想ありがとうございます♪誕生日だなんてプライベートをぶっこんですいません(汗)ありがとう！更新頑張ります！ (2016年6月10日 0時) (レス) id: 8fa3a5d6f1 (このIDを非表示/違反報告)
yuko(プロフ) - ちぃ☆さん» ちぃさん、感想ありがとうございます♪楽しみと言ってもらえて嬉しい！最初は社長も相当横暴でしたよね…分析して頂けて感激です。書き手さんなんですね！素敵な作品を読んだら書きたくなるのは私も同じです！私の話は素敵とは言えませんが(^_^ゞありがとうございます♪ (2016年6月10日 0時) (レス) id: 8fa3a5d6f1 (このIDを非表示/違反報告)
yuko(プロフ) - 珠櫻さん» 珠櫻さん、感想ありがとうございます♪生徒会から！？嬉しいです！翔くんもにのも、いつも主人公に振られる話ばかり書いているので申し訳ないです(;´д｀)ありがとうございます！更新頑張ります♪ (2016年6月10日 0時) (レス) id: 8fa3a5d6f1 (このIDを非表示/違反報告)
yuko(プロフ) - 杏さん» 杏ちゃんへ。大好きだなんて嬉しいわ(T_T)ありがたや。こちらこそよろしくね！！ (2016年6月10日 0時) (レス) id: 8fa3a5d6f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yuko
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=yashikonbu
作成日時：2016年5月19日 0時
