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「…ぅあっちっ！！」
突然仰け反る、目の前の紅林社長。
その髪から、滴が落ちる。
訳がわからないまま視線を上げると、櫻井社長が紅林社長を睨んでいた。
手には、空になった徳利。
もしかして…
狸親父に熱燗をかけた？
ええっ！？
「なにするんだ、君っ！」
紅林社長が、真っ赤な顔をして叫ぶ。
櫻井社長は、平然と答える。
「こちらの台詞です。うちの秘書に何をするおつもりですか」
「何って…これは接待だろう！？」
「…だから何？嫌がる女を無理やり触って、何が楽しい？」
「しっ…失礼なっ！今日の話はなかったことにさせてもらうぞ！」
「どうぞご自由に。私どもはこれで失礼させていただきます」
「さっさと帰れっ！お前らの顔なんて二度と見たくない！」
「奇遇ですね、私もです」
「なっ…！！」
大口を開けたままの紅林社長に冷たい笑みを向けて、櫻井社長が席を立つ。
「行くぞ、藍原」
「っ…はいっ…！」
フラフラな足取りで必死に歩いて、私と社長は個室を後にした。
社長は何も言わないまま、店の出口へとズンズン歩いていく。
漂う不機嫌オーラ。
怖。
無言のまま会計を済ませて、店の外へと出る。
上手く歩けない私を振り返ることもしない。
私のせいで、仕事がダメになったから？
私が、あの狸親父をうまくかわしてさえいれば。
「社長。あの…すいませんでした」
「あぁ？」
「私のせいですよね。私がうまくやっていれば…」
「お前はバカか！」
いきなり振り返ったと思ったら、久々の罵倒。
「いいからさっさと歩け」
「…歩けません」
「はあ？」
「歩けないので、お先にどうぞ…」
「そうはいくか。こんなになるまで飲ませやがって、あのクソ狸親父」
狸親父て…
おんなじことを考えてた。
ブブッ。
社長が私の目の前にツカツカ歩いてきて、さっと屈む。
「乗れ」
「は…？」
「さっさとしろ」
さっさとって…
これ、おんぶじゃないか！！
「乗らねんなら置いてく」
「ちょっ…！ちょっと待って！乗る乗る！」
ドキドキしながら、社長の背中に乗る。
「しつれいしまあす…」
「…藍原」
「は、はいっ！」
「重い」
「すすすすいませんっ！」
やだ、何この状況！
何故私が社長におぶさってるの！？
でも、すぐにホテルのエントランスに辿り着いて、いつもの社長車が目の前に停まる。
「乗れ」
運転手さんがドアを開けると、社長は私を車へ押し込めた。
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yuko(プロフ) - ayakoさん» ayakoさん、感想ありがとうございます♪嬉しいです！ベタな展開しか書けませんが楽しんで頂けてよかった(о´∀`о)翔さんのオラオラが書きたかったのです。ありがとう☆ (2016年2月9日 0時) (
レス) id: 8fa3a5d6f1 (このIDを非表示/違反報告)
ayako(プロフ) - はじめまして。俺様社長の翔さんにドギマギと主人公ちゃんとの掛け合いがおもしろくて一気に読ませていただきました。この先も気になる！！更新楽しみに待ってます！！ (2016年2月7日 19時) (レス) id: f5271a4f24 (このIDを非表示/違反報告)
るな(プロフ) - yukoさん» はい♪ (2016年2月3日 5時) (レス) id: 49adcb70ee (このIDを非表示/違反報告)
yuko(プロフ) - るなさん» るなさんへ♪ありがとう！楽しみにしててね(*^^*) (2016年2月2日 23時) (レス) id: 8fa3a5d6f1 (このIDを非表示/違反報告)
るな(プロフ) - yukoさん» おらおら翔くんいいですよね！続き楽しみです！ (2016年2月1日 6時) (レス) id: 49adcb70ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yuko
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=yashikonbu
作成日時：2016年1月25日 0時
