26 接待の洗礼 ページ26
その後も、ひたすら忙しい日々が続いた。
転職先を探す暇もないほど。
それでも私は秘書業務にだんだん慣れてきて、社長に
「ドン臭い」
「気が利かない」
って罵倒される回数も減っていった。
今では秘書課の誰よりも早く出勤して、始業前までに社長室の掃除、メールチェック、スケジュール確認、その日使う資料の用意までを済ませておく。
秘書なんて美人であれば誰でもいいんでしょ、なんて思っていたけど、とんでもない。
こんな大変で、忙しくて、責任のある仕事だなんて知らなかった。
秘書課の皆さんも私を仲間として認めてくれたのか、ガン無視されることはなくなった。
相変わらず高い壁は感じるけど。
松本さんは、まだ本性が見えない。
いつか暴いてやる。
始業のベルが鳴ると、私は社長室のドアをノックする。
「…はい」
「失礼します。藍原です」
「どうぞ」
「おはようございます。本日のスケジュール確認です」
やっぱり社長はこちらを見向きもせず、イケメン面して新聞に目を通す。
聞いてないのかと思ってみたら、スケジュールはちゃんと彼の頭の中に入っている。
社長を勤めるぐらいだもん、やっぱり賢いんだなあ。
思えば、社長のことを悪く言う重役はいつのまにか居なくなった。
皆、社長のことを認め始めた証拠。
実際、社長が交代してからも経営は上向き。
すごい人。
「藍原。今日のC社との接待だけど」
「はい」
「お前も同席しろ」
「えっ…私がですか！？」
「先方がお前に会いたいらしい」
「はあ…そうですか。わかりました」
何故だ。
何だか嫌な予感。
だけど、大事な接待の席を断るわけにはいかない。
「安心しろ、きっとお前の顔を見たら呼ばなきゃ良かったって思われるわ」
「なっ…！？失礼なっ！！」
アハハって楽しそうに笑う社長。
相変わらず失礼な男！！
すごい人って思ったの、撤回！！
「怒るとシワが増えるぞ」
「うるさいですよ！まだピチピチの20代なんで、ご心配なくっ！」
キイッ！！
なんなのっ！！
ダンダンと足を踏み鳴らしながら社長室を出たら、秘書課の人達の注目を浴びてしまった。
気まずっ…
こんな感じで、社長の憎まれ口は減らない。
意地悪だし、感じ悪いしっ。
こんな社長を知っているのは私だけ。
いつか暴いてやる、皆の前で！！
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yuko(プロフ) - ayakoさん» ayakoさん、感想ありがとうございます♪嬉しいです！ベタな展開しか書けませんが楽しんで頂けてよかった(о´∀`о)翔さんのオラオラが書きたかったのです。ありがとう☆ (2016年2月9日 0時) (
レス) id: 8fa3a5d6f1 (このIDを非表示/違反報告)
ayako(プロフ) - はじめまして。俺様社長の翔さんにドギマギと主人公ちゃんとの掛け合いがおもしろくて一気に読ませていただきました。この先も気になる！！更新楽しみに待ってます！！ (2016年2月7日 19時) (レス) id: f5271a4f24 (このIDを非表示/違反報告)
るな(プロフ) - yukoさん» はい♪ (2016年2月3日 5時) (レス) id: 49adcb70ee (このIDを非表示/違反報告)
yuko(プロフ) - るなさん» るなさんへ♪ありがとう！楽しみにしててね(*^^*) (2016年2月2日 23時) (レス) id: 8fa3a5d6f1 (このIDを非表示/違反報告)
るな(プロフ) - yukoさん» おらおら翔くんいいですよね！続き楽しみです！ (2016年2月1日 6時) (レス) id: 49adcb70ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yuko
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=yashikonbu
作成日時：2016年1月25日 0時
