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えっ…
何かまずったかな。
ビクビクしてしまう自分が嫌だ。
振り返ると、奴がじっとこっちを見ている。
「…何か」
「お前、マニュアルは読んだのか」
「はい、昨日」
「何だその恰好。葬式にでも行くのか」
「…へ？」
「へ、じゃない。もうちょっと女らしい服装をしろ。
パンツスーツよりもスカートが好ましい、色は明るいパステルカラーを」
「ああ、書いてましたね。でも持ってないんで」
「ッハ！じゃあ買ってこいよ」
っきー！
またバカにしやがって！
「昨日は終電でしたし、だいいち給料日前なんでそんなお金ありません」
「いつもそんなしみったれたスーツで営業してたのか？」
「しみったれてません！失礼な！」
「そんなんでよく契約取れてたなあ」
奴が可笑しそうに笑う。
悔しい。
社長に私の何がわかるというの。
うちの業界の営業職は、男と同じように、ううん、それ以上に働かないと認めてもらえない世界。
だから私は、ダークスーツという鎧に身を包んだ。
女を捨てて、頑張った。
そんな私を、コイツはバカにして、鼻で笑う。
「…社長には一生わからないでしょうね」
「何がだよ」
「女がこの業界でやっていくのがどれほど辛いのか。私がどれほど大変だったか」
自分の今までの努力が全否定されたみたいで、悔しくて悔しくて。
唇を噛み締める。
この人には、絶対わからない。
私の苦労なんて。
「この業界の営業なんて、所詮男の仕事なんです。私が行ってもまず信用してもらえない。
だから、男以上に働いて、男みたくしてないといけないんです。
男女雇用機会均等法なんて、名ばかりの法。均等に雇用されたって、その後の環境が良くなければ女性は仕事を続けていけない。
社長ならよく御存じでしょう」
「…ふん。なるほど」
奴が手を組んで、大きな目でこちらを見詰める。
相変わらず、視線は鋭い。
…何。
なんなの。
「だが、お前の今の仕事は秘書だ。
秘書は社の看板でもある。
秘書のお前に、そういう格好はさせておけない」
わかってるよ！
わかってるけど…
今すぐ服を買いに行けと？
そんなの無理でしょ？
社長が何やら電話をしている。
「ちょっと出たい。頼む」
なんなの？
「ついて来い」
立ち上がった社長はかかっていたジャケットを羽織ると、そのまま社長室を出た。
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yuko(プロフ) - ayakoさん» ayakoさん、感想ありがとうございます♪嬉しいです！ベタな展開しか書けませんが楽しんで頂けてよかった(о´∀`о)翔さんのオラオラが書きたかったのです。ありがとう☆ (2016年2月9日 0時) (
レス) id: 8fa3a5d6f1 (このIDを非表示/違反報告)
ayako(プロフ) - はじめまして。俺様社長の翔さんにドギマギと主人公ちゃんとの掛け合いがおもしろくて一気に読ませていただきました。この先も気になる！！更新楽しみに待ってます！！ (2016年2月7日 19時) (レス) id: f5271a4f24 (このIDを非表示/違反報告)
るな(プロフ) - yukoさん» はい♪ (2016年2月3日 5時) (レス) id: 49adcb70ee (このIDを非表示/違反報告)
yuko(プロフ) - るなさん» るなさんへ♪ありがとう！楽しみにしててね(*^^*) (2016年2月2日 23時) (レス) id: 8fa3a5d6f1 (このIDを非表示/違反報告)
るな(プロフ) - yukoさん» おらおら翔くんいいですよね！続き楽しみです！ (2016年2月1日 6時) (レス) id: 49adcb70ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yuko
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=yashikonbu
作成日時：2016年1月25日 0時
