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よく見ると、翔は耳にスマホを当てて電話をしているようだった。
体育館では再び試合が始まったらしく、歓声で翔の声は聴こえなかった。
翔は何の競技に出たのだろう。
もう終わったのだろうか。
ジャージ姿でも綺麗な人は綺麗なんだなあとAは翔を眺めていた。
立ち聞きするつもりはなかったのに、Aはその場から動こうとしなかった。
翔が誰と何を話しているのかなんて、どうでも良かった。
ただ翔を見ていたかった。
しかし次の瞬間、翔は激しく顔を歪めて急に語気を荒げた。
「ふざけんなっ……！」
聴こえたのは、激昂する翔の声。
怒りのままにスマホを地面に投げつけている。
ガシャンと音を立てて落ちたスマホは、あろうことかAの足元に滑ってきた。
ビクッとするA。
翔の目線はAを捕らえる。
「何だよお前？盗み聞きしに来たの？」
「ち、違います！」
「何が違うんだよ」
殺気立った表情でAの方へ歩み寄る翔。
Aは後悔した。
翔を見付けた時、なぜすぐに去らなかったんだろうと。
だが、時すでに遅し。
翔の憤りがじりじりと胸の奥を蝕む。
体が硬直して逃げることなんて出来ない。
殴られるかもしれない。
Aは恐怖で自然と肩が震えた。
翔はAが自分に怯えているのがわかった。
それも翔の怒りに火を注いだ。
発作が起きたように不快感がこみ上げてたまらなかった。
「雅紀の女だからっていい気になるな」
「なってな……」
「勘違いすんなよ、俺は認めねえからな。
つまんねえガキの癖にしゃしゃってんじゃねえよ」
凄みをきかせた翔がAに激しい語調を浴びせる。
Aは壁際に追い詰められ、逃げ場はない。
「それとも何？雅紀より俺の方がいいって？」
「ちが……」
「はあ？お前なんてこっちから願い下げだっつーの。
雅紀だって本気でお前が好きな訳ねえだろ」
そんな筈はないと反論したいのに出来ない。
Aの目から生気が消える。
薄々感じていたことを面と向かってはっきり言われたAはショックを受けた。
その時、自分がAに与えていた恐怖が失望に変わったのを翔は感じ取った。
もっと傷付けてやりたいと思った。
それほどに翔は苛立っていた。
何を思ったのか、翔はAに無理やりキスをした。
Aは反射的に顔を背けようとしたけれど、翔はAが動けないように両手で頭を押さえ付けた。
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さり(プロフ) - 爽やか男子なまさき君のお話から来たので、ダークな感じもまた堪らんです！！ (2019年3月27日 0時) (
レス) id: 1076ce69b4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆり(プロフ) - えっ？！初めてなのにお風呂でだなんて全て見られちゃうし、声は響いちゃうし恥ずかしい(〃ﾉωﾉ)翔くんはどうも主人公ちゃんが気になっちゃうんですね…年度末だから仕方ないのかもしれないですけど、嵐さん不足になりますよね(。>д<) (2019年3月25日 6時) (レス) id: 7082127890 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - こんばんは。本当に雅紀くんの考えがわからなくて…側にいる翔さんさせもとまどっている？翔さんも主人公ちゃんに惹かれつつ？色んなドキドキが忙しい(￣▽￣;) (2019年3月24日 16時) (レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
yuko(プロフ) - ゆりさん» ゆりちゃん、感想ありがとう♪レイラちゃんは高校生だけど、イメージはローラで(笑)樹里さんは相葉先輩の過去を知る人物のひとりだよ。色々書きたいことは盛沢山なんだけど文字数が(;´Д｀)次のお話はなるべく夜中に読んでほしい(*´艸`*) (2019年3月24日 0時) (レス) id: 002ad326f1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆり(プロフ) - ハラハラドキドキしながら読んでいる中、レイラちゃんの天然ぶりにくすっと笑わされてホッとさせられます(((*≧艸≦)樹里先輩は良い人なのか相葉先輩とグルなのか…えっ？！家って二人の住む家に行っちゃうんですか？心の準備が…(笑) (2019年3月17日 23時) (レス) id: 7082127890 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yuko
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=yashikonbu
作成日時：2019年2月10日 1時
