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3回目。 ページ3

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『会いに来てくれませんか』


それは、初めは私からお願いしたことだった。

会話をほとんど交わせなかった中学時代。
高校になってからは、もっと緑谷くんといたい、と我儘から出た言葉だった。

けれども彼は驚く程に素直にそれを受け入れて、毎日のようにここに来てくれる。二人の都合が合えば一緒に帰ってくれる。

少し間違えば自惚れてしまいそうだ。
好きな人にここまでされれば。






食堂で買ってきたメロンパンを食べながら緑谷くんを待つ。彼はカツ丼が好きだとか言ってたな。今日も食べたのかな。

そう考えていれば、保健室のドアが開く音がした。


「失礼します!Aさんはいますか!」

「ここだよ」

「いた!!」


緑谷くんだった。
どうやら急いで来てくれたようで、息が上がっていた。そして私が呑気にメロンパンを頬張っているのを確認すれば、安心したのか、ほっとした顔で私の横に座る。


「お昼ご飯何食べたの?」

「カツ丼!」

「おお、私の予想通りだ」


予想してたの!?と普通以上に焦って笑う。こんな他愛ない会話も、また面白くてたまらない。
彼の顔を見ると、私のメロンパンをじっと見ていた。


「緑谷くん食いしん坊」

「あっいや!別に美味しそうとかそんな!」

「はい、一口あげる」


ずい、とメロンパンを緑谷くんの方に差し出すと、焦った顔をしつつも、耐えきれなかったのか控えめに食べた。小動物みたいで可愛い。

それから少しすると目を輝かせて、気に入ったように私に笑顔を向けてきた。


「美味しいね!」

「でしょ!?すごく好きなの」


小さく笑いかける。
またメロンパンを口にしてもごもごしていると、突然緑谷くんが何かを思い出したように勢いよく立ち上がった。


「どうかしたの?」

「ごめん!オールマイトに呼ばれてたの思い出して…!」

「またお父さんか…」


個性云々の話だろう。忙しいのだ2人も。


「ごめんね、長い間いられなくて」

「ううん、来てくれてありがとね」


お互い笑顔で手を振った。

私の手元には、食べかけのメロンパン。
最後の一口を食べて、なんとなくさっきの彼のことを思い出す。



「………間接キスじゃん」



今更気が付いた、思春期の男子のような言葉を吐いてみた。







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三条つかさ(プロフ) - わわ!!久しぶりの更新凄く嬉しいです!!ご自分のペースで、これからも頑張ってください!! (7月16日 0時) (レス) id: 7ed1c475b4 (このIDを非表示/違反報告)
三香美あっぽー(プロフ) - こんなにものすごくドキドキ&キュンキュンする小説に初めて出会いました。更新頑張ってください!応援してます (6月24日 10時) (レス) id: e6931b9a32 (このIDを非表示/違反報告)
ひなポン - 最高です。ありがとうございます。最新頑張ってください。めっちゃめちゃ期待してます! (6月16日 8時) (レス) id: 1cc1b8057e (このIDを非表示/違反報告)
ほこりくん(プロフ) - ああもうだめです好きですありがとうございます。デクはもともと好きでしたがさらに好きになりました。更新待ってます!!!! (4月2日 22時) (レス) id: a558f985dc (このIDを非表示/違反報告)
水翠(プロフ) - 初めまして!この作品、とてもおもしろくてきゅんきゅんして大好きです!!コメントのレスは、一つ一つのコメントの一番最後の部分に(レス)って書いてあると思います!(コメントされた日付とかが書いてあるとこの近く)そこを押せば出来ますよ!これからも応援してます! (1月12日 9時) (レス) id: 063fb754ef (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:八尋 | 作成日時:2017年10月12日 21時

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