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20回目。 ページ20

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「緑谷の治療、行かなくていいのか」

「はい、あっちはリカバリーガールに任せているので…」

「そうか」


そう言って彼はまた下を向く。

…駄目だ、会話が続かない。私はどうすれば…

取り敢えず一連の治療をこなそうと、轟さんの体に手を伸ばすと、緑谷くんの個性を受けた打撲が見えた。

本気でこんな凄い人とやり合ったのか。
生々しい傷は、二人の戦いの跡だった。


「なぁ」


ふと声をかけられる。やっぱりあの時とは違う、張り詰めていない声。


「親父が、昔からたまにお前のこと話してたんだ。
あいつはオールマイトになれないって」


「…そうだったんですね。」


だから私のこと知ってたんだ。
私は轟さんのことは父から聞いたことはなくて、こないだの対談がファーストコンタクト。

でもエンデヴァーさん相変わらず私のこと嫌いなんだなあ…名前も覚えられててどうしようもないが。


「それ聞いてすっげぇムカついてた」


私の手が止まると、彼はこっちを向いた。



「多分、会ったことも無かったが、同じ境遇にあるお前のこと悪く言われんのが嫌だったんだと思う」



素直な男の子だ、と思った。

今まで彼の拗れたところしか見たことがなくて、勝手に良くない印象を抱いていたが、本当は救い出して欲しかったはずだ。彼だって1人の人間だ。

それをこなしてしまったのが緑谷くんだったのだ。
私達の親の繋がりに、仲介をしたのは。


「父親達は、何かしらあるそうですが、その子供の私達までいがみ合う必要はないと思うんです。」


なら私はそれを無駄にしないように、ちゃんと意思を伝えようと思った。彼に、もっとうまく伝えて


「親の前科があろうと、轟さんの個性は轟さん自身のものですから。」


私が言い終えると、轟さんはきょとん、としていた。


「…お前、緑谷と同じこと言うんだな」

「へ!?かぶった!?」

「あぁ、ダダかぶりだ」


そう言って優しく笑った。

緑谷くんと同じこと言った。
気持ち悪いけれど、なんだか頬が熱くなってきた。おんなじこと考えてたんだ、って、考えれば考えるほど頭がパンクしそうだった。







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三条つかさ(プロフ) - わわ!!久しぶりの更新凄く嬉しいです!!ご自分のペースで、これからも頑張ってください!! (7月16日 0時) (レス) id: 7ed1c475b4 (このIDを非表示/違反報告)
三香美あっぽー(プロフ) - こんなにものすごくドキドキ&キュンキュンする小説に初めて出会いました。更新頑張ってください!応援してます (6月24日 10時) (レス) id: e6931b9a32 (このIDを非表示/違反報告)
ひなポン - 最高です。ありがとうございます。最新頑張ってください。めっちゃめちゃ期待してます! (6月16日 8時) (レス) id: 1cc1b8057e (このIDを非表示/違反報告)
ほこりくん(プロフ) - ああもうだめです好きですありがとうございます。デクはもともと好きでしたがさらに好きになりました。更新待ってます!!!! (4月2日 22時) (レス) id: a558f985dc (このIDを非表示/違反報告)
水翠(プロフ) - 初めまして!この作品、とてもおもしろくてきゅんきゅんして大好きです!!コメントのレスは、一つ一つのコメントの一番最後の部分に(レス)って書いてあると思います!(コメントされた日付とかが書いてあるとこの近く)そこを押せば出来ますよ!これからも応援してます! (1月12日 9時) (レス) id: 063fb754ef (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:八尋 | 作成日時:2017年10月12日 21時

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