11回目。 ページ11
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緑谷くんと帰った時の会話は、ほとんど覚えていない。私の頭を独占していたのは、轟という男の子と、父と緑谷くんの個性のことだった。
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｢えっ、昨日ヒーロー科に喧嘩売りに行ったの！？｣
｢だから宣戦布告だって言ってるだろ｣
授業間の休み時間。
近くの席になった普通科の友人は、あのヒーロー科を見て溜息を吐いた。私はそれに負けじと笑顔で話しかける。
｢ね！ヒーロー科、いい人もいるでしょ？｣
｢残念ながら真逆だったけどな｣
｢心操くんは一体何を見てきたの…｣
まぁこんなことを言っている私も、ヒーロー科で終始トラウマになるような時間を過ごしたわけだが、そんな事情を目の前の彼に言えるわけもなく。
ただ、誤解はしないでほしい。ヒーロー科は、ヒーローを目指すいい人ばかり。
普通科には、ヒーロー科を批判する声が多かった。入学当初、私はそれが気に入らず、特に対抗意識の強かった心操くんとは全く気が合わなかった。
今こうして話しているのは、席が近くなって、必然的にというやつで。
｢うぜェやつしかいなかったよ｣
｢えー、ちゃんと見てないだけだよ｣
｢特にあいつ。爆発の｣
｢あ、あー……えと………その人は一番会ってほしくなかった…かも｣
何したんだ爆豪勝己。たしかにあいつは敵の模範解答みたいなやつじゃないか、よりによって彼に会ってしまったのか。
｢知り合いか。｣
｢んーん、同じ中学なだけ。｣
嘘つきました。
たしかに知り合いではないが、一度緑谷くんのことでガチな取っ組み合いをした仲です。思い出すだけで頭を抱えて埋まりたくなる。
彼の個性は強力だ。きっと体育祭でも上の方に行くのだろう。それをわかっていて下見に来た生徒に大口を叩いたのだと思う。
｢でも心操くんさぁ、普通科ならそこまで気張らなくてもいいんじゃないかな｣
｢…これだからヒーローオタクは｣
｢し、失礼な！｣
ギャンギャン吠える私を、彼は軽くあしらった。
さらには真剣な眼差しを向けるもんだから、私は身動きが取れなくなった。
｢普通科だって、やれるって証明する｣
｢出来ることがあるなら、それに全力で突っ走る｣
その言葉に嘘はなかった。
彼も、ヒーローを目指す一人なんだと改めて感じた。
なんだか、そういう諦めの悪いところはあの子に似てるかもね。
｢ヒーロー、向いてると思うよ｣
私がそう吐けば、彼は一瞬驚いた顔をして、小さく笑った。
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百合(プロフ) - オワリ...end......終..........ﾍｯ、おわり？？？？嘘でしょ...お気に入りして一生更新待ってます..... (12月16日 4時) (
レス) @page38 id: 587110230b (このIDを非表示/違反報告)
人未(プロフ) - 主人公さんが凄く魅力的で、緑谷くんとの関係も大好きです！ (2023年3月12日 22時) (レス) id: 7a0cc58a20 (このIDを非表示/違反報告)
こゆき(プロフ) - あのもう終始にやけているのですが、これは神の領域の小説ですね。ありがとうございます。 (2021年8月14日 3時) (レス) id: 56fe7289ff (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - え？？？神ですか？あ、神ですね！( ´∀`)ﾊﾊﾊ好きです（唐突な愛の告白←） (2021年7月7日 19時) (レス) id: 1a6dd63888 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - 凄いきゅんきゅんするとこで終わってる！！めっちゃいい所で終わってて心臓がキュッってなりました！笑 オールマイトの「あの二人脈アリなんじゃないか」のセリフちょっと面白い()更新待ってます！ (2021年3月4日 0時) (レス) id: de93f0d8c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：八尋 | 作成日時：2017年10月12日 21時
