北沢家専属メイドの悩み【もみ消して冬】

・貴方side ページ29

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何故か私は秀作様とデートをすることになり、今はカフェにいる



デートといっても、皆に怪しまれるから四時くらいには帰らないといけない。


私たちの門限は小学生より、いや、幼稚園生より早いのだ




秀「どこか行きたいところでもある？」


『うーん。秀作さんは？』


秀「僕？ 僕はAさんが行きたいところに行きたいかな」




ぐはっ、イケメン発言炸裂！


男の人って女の人がいちいち悩んでいるのを見るとめんどくさがるらしいんだけど、秀作様は恐ろしいほど優しい


恋愛経験がないから、らしいけど、紳士なんだよなぁ〜



てかどうしよ。別に行きたいところなんてない。うーん…




尾「アレ、 先輩？…と、Aさん！？」


秀「え、なんでお前がここに」

『尾関君！？』



驚いた。まさか尾関君に会えるとはなぁ…




「『って、なんで知ってるの？』」



お互いを指差して驚く私たち

おこがましいけど、気があうなっ




尾「あ、Aさんに言うの忘れてましたね。先輩って聞いてわかる通り、俺は先輩の部下です」


『あー そうなんだ！』



エリート警察官ってことしか秀作様の仕事事情を知らない


まさかここで思いもよらない縁があるとは…




尾「で、Aさんは俺の元先輩で、それはそれは知らない人はいない武道の」


『ちょ、それは言わないで！』


尾「んん" わありまいあ！ 」


『そ。それなら良かった。ごめんね秀作さん。』


秀「え、…あぁ うん。」




納得がいってないような表情をする秀作さん


そりゃそうだよね


自分の後輩が屋敷からほぼ出ることのない専属メイドと知り合いなんだもん


気になるに決まっている




でも、今は秘密にしたいことがある。




てか、こう考えると北沢家の人たちってそれぞれがお互いのことを知ったフリをしてるんだなぁ






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