探偵よ、私は短気なもんで。3

100話 ページ7

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「いや、4年間昏睡状態はまぁいいとして…目が覚めてからの記憶が無い。普通の生活に戻るまでの記憶が…」

「その辺りも調べてみましたが、どうやら記憶障害を起こしていたらしく、発症前の数年間と目が覚めたあと数カ月間の記憶が曖昧になっているらしい…カルテに書いてあったのはこのくらいです」

「…なるほど…」



そう言われればいろんなことが腑に落ちる。
知りもしない警察学校組との思い出があるのもその弊害か。じゃあだんだんと思い出していくしかなさそうだなぁ…














…ん？てか今カルテって言った？？



「どんな手使って調べてんですか沖矢さん！！」



そういう方法はもっと重要なことを調べるときに使う手ですよね！？



「紗綾さんは得体がしれないので。最善策だと思いますが」

「FBIの権力フル活用してる…」



怖い、これがリアル名探偵コナンの世界か。




「それと、情報はまだこれだけではありません。

気になったのは＿＿＿＿木更津穂稀。紗綾さんの姉、ですよね？」

「っ、」



思わず表情が引き攣る。つばをごくんと飲み込んで、沖矢さんが続ける言葉を待った。






「彼女は数年前、突然木更津家の戸籍上から消えたのですが…何か心当たりは？」

「いえ、…無いです」






そう答える瞬間、沖矢さんとコナンくんの視線が鋭くなったのに気づかないはずがなかった。
傍から見ても分かりすぎるくらいに動揺してしまったのだ。



「…木更津家の戸籍上から消えたって、どういうことなんですか…？」

「…戸籍を抹消することは基本的に一般人に出来ることではありません。考えられるのは、現在戸籍を書き換える方法です。これなら、婚姻や死亡などによって書き換えることが出来ますし、彼女の原戸籍は残っていたのでこの可能性が高いと思います」




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