123話 ページ30
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「あの様子じゃ、姉さんが私を殺すことなんてないと思うんだけどな…」
初遭遇で「まだ死ねない。その後なら好きに殺せ」と宣言してから私を殺そうとする素振りは見られなかった。拳銃突きつけてきたのは多分アメリカンジョークだ。怖すぎ。
割と好印象を残せたとは思っている。ジンに狙われないように配慮してくれてもいたし、きっと危害を加えてくることはない。そんな風に思ってしまうのは彼女を買いかぶりすぎだろうか。
「いっそ安室さんを連れて行けばいいのでは…」
「一人で行かれるよりはそっちのほうがマシです」
「ウェッ…聞いてたんですか」
「護衛としてもつけますし」
「それは心配いらないです。多分姉さんが守ってくれます」
「姉さん?」
「そのポストカードの差出人です」
そういうと安室さんはもう一度ポストカードの裏を見た。そしてそこに刻まれている文字を読むと怪訝な顔をし、目つきが鋭くなり、かと思えばため息を付く。…思っていた反応と違う。どういう心境なんだ?
コロコロ表情を変えて喋らなくなった安室さんの代わりに、口を開く。
「私じゃなくて安室さんが殺される気がします」
「なぜ?」
「私のことはまだ殺さないと思うので」
「…どういうことですか?」
カクカクシカジカと説明するがやっぱり彼は怪訝な顔。
私を疑っているわけではないけど、ちょっとヤバいやつだとは思われてそうだ。
「私が行かなかったら間違いなく危険ですしここは一先ず行ってみるのも手では?殺されるかは行ってみてから対処します」
「…………………………………………………僕も行きます。それでいいですね?」
長い沈黙の後の有無を問わぬ圧に頷き、とりあえず話が一段落したことに軽く息を吐く。流れで日程まで決まった。今週の土曜日、20時。安室さんが送ってくれるらしい。
「姉さんに一人増えたこと言えればいいんですけど、連絡先もってないんですよね」
「そんなの言わなくて大丈夫ですよ」
「その確信はどこから来るんですか」
「僕探偵なので」
「意味不明ですね」
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のうん。(プロフ) - あさん» ありがとうございます!待っていただいた分ゆっくりですが更新頑張ります💪 (3月12日 9時) (レス) id: fb28870297 (このIDを非表示/違反報告)
あ - 更新待ってたので嬉しいです、合格おめでとうございます! (3月11日 7時) (レス) @page27 id: c9b27d8eb7 (このIDを非表示/違反報告)
のうん。(プロフ) - あすかさん» コメントありがとうございます!前期は既に終わったので後期に向けて頂いたパワーで頑張りますね…!!作品もあと少しで再開できそうなのでそれまでお楽しみにです!! (2月29日 6時) (レス) id: 3d735eb946 (このIDを非表示/違反報告)
のうん。(プロフ) - とらべらーさん» 遅くなってしまいすみません…応援ありがとうございました!先日試験は終わり結果を待ちながら後期に向けて頑張っているところです。なるべく早く合格して更新できるように頑張ります! (2月29日 6時) (レス) id: 3d735eb946 (このIDを非表示/違反報告)
あすか(プロフ) - あっという間に読んでしまいました!!!続きが楽しみです!!!大学合格しますようにー念を送っときます( ✧Д✧) ノカッ!!)))))))))))) (2月28日 20時) (レス) id: 8fa475efd3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のうん。 | 作成日時:2023年5月13日 18時