探偵よ、私は短気なもんで。3

121話　依頼 ページ28

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「それで？今日はどうしたんですか紗綾さん」

「え？」

「何か僕に用事があってきたんですよね？」



一瞬身が固まる。当の本人は目の前でニコニコしながらこちらを見つめてきているし、すべてお見通し…ということだろうか。もし依頼内容まで見通しているなら探偵辞めて占い師にでもなったほうがいいと思う。



ちら、と後ろの様子をうかがう。さっきの“あーん”で全員帰ったみたいだ。さすが。



「探偵に探し物の依頼をしたくて」

「あー…だから人目を気にしていたんですね」

「気づいてたんですか」

「あれだけきょろきょろしていればまぁ。
　…それで依頼とは？」

「お店を探してほしくて。ポストカードを貰ったんですけど、調べても出てこないんです」


そう言いながら机の上に置く。表の謎の装飾を見ただけではピンとこなかったのか、「バーのポストカードですか？」と手に取り裏を見た。












これは賭けだ。
ベルモットが知っている店なら安室透も知っているかもしれない。調べても出てこないということは、そこは組織御用達の店＿＿ということも考えられる。

そうなれば、私の命の保証はない…かもしれない。
全ては安室透の反応次第。







店名を見た安室さんは一瞬顔を引きつらせた。




「……これ、一体誰からもらったんですか？」

「ちょっと前に道で倒れてた人を助けたら、次の日ポストに入ってました」


返答を聞くと空気がピリつく。
一瞬の空白の後、


「この店へは行かないでください。絶対に。危険すぎます」


と険しい表情＿＿＿もっと言えば有無を言わせないような圧で迫られた。




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