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117話 ページ24

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「何でその考えに至ったかは知りませんが、変な思い込みはやめて下さい。恋愛的な意味では断じて好きじゃありません」








荒ぶった気持ちを落ち着かせ、再度目の前の男に釘を刺す。安室さんは何故か、すみませんと素直に謝罪。どこか具合が悪いのかも知れない。






「そうですよね、このあいだ近所に住んでいただけと仰っていましたし…少し早とちりしてしまいました…」







目の前で申し訳無さそうに笑う男を見て冷静になる。なんだこのかわいすぎる29歳男児は。童顔パワーか??







「…あ、そういえば最近知ったんですけど…
近所に住んでいただけじゃなくて割と交流があったみたいなんですよね」

「…知った?それはどういうニュアンスですか?」

「あぁ、えーっと……私記憶喪失みたいで」








直後目の前でスプーンが落下して無機質な音を立てた。リバウンドしたそれを目で追いかけながら我に返り、驚いて顔をあげると、同じく驚いている安室透が。思わずスマホを取り出したくなったがその前に腕を掴まれた。残念。






「記憶喪失……ですか」

「はい。話せば長くなるので詳細は避けますが……
私4年間昏睡状態で、その弊害らしいです」


自分にとっては特に何のダメージもない事実。重い空気になるのは本意ではないので、気にせずヘラヘラと笑ってみせる。


「記憶喪失と言ってもここ数ヶ月と、あとは入院前の数年分だけです。入院していたことも忘れてたので実年齢は+4の25歳でーっす」


「に"っ………!?


……そうですか、…第1印象は間違ってなかったんですね」

「そうですけどリアクションが腹立ちますね」








安室さんよりは歳下でしょうに、と睨み返すと、一瞬鋭い眼差しを向けられ、ふっと途切れた。なんだか含みのある行動に首を傾げる。





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のうん。(プロフ) - あさん» ありがとうございます!待っていただいた分ゆっくりですが更新頑張ります💪 (3月12日 9時) (レス) id: fb28870297 (このIDを非表示/違反報告)
- 更新待ってたので嬉しいです、合格おめでとうございます! (3月11日 7時) (レス) @page27 id: c9b27d8eb7 (このIDを非表示/違反報告)
のうん。(プロフ) - あすかさん» コメントありがとうございます!前期は既に終わったので後期に向けて頂いたパワーで頑張りますね…!!作品もあと少しで再開できそうなのでそれまでお楽しみにです!! (2月29日 6時) (レス) id: 3d735eb946 (このIDを非表示/違反報告)
のうん。(プロフ) - とらべらーさん» 遅くなってしまいすみません…応援ありがとうございました!先日試験は終わり結果を待ちながら後期に向けて頑張っているところです。なるべく早く合格して更新できるように頑張ります! (2月29日 6時) (レス) id: 3d735eb946 (このIDを非表示/違反報告)
あすか(プロフ) - あっという間に読んでしまいました!!!続きが楽しみです!!!大学合格しますようにー念を送っときます( ✧Д✧) ノカッ!!)))))))))))) (2月28日 20時) (レス) id: 8fa475efd3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:のうん。 | 作成日時:2023年5月13日 18時

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