探偵よ、私は短気なもんで。3

106話 ページ13

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ベルモットと分かってしまったのなら、救急車を呼ぶことも出来ない。
入力した電話番号を消して画面を閉じ、そのスマホで再び彼女を照らす。



…何があったか知らないけど、ここで死なれては名探偵コナンのストーリーが変わってしまう。とりあえず応急処置だ。






さっき買ったコンビニの袋の中から水を取り出し、腕の傷口に少しずつかける。表面の血を洗い落とすと、傷口をはっきりと確認することが出来た。

どうやら血は止まっているらしいので、ハンカチで縛るだけにする。








次は頭、とベルモットの乱れた髪を手で退ける。












否、退けようとした。


その瞬間腕がﾊﾞｼｯと弾かれ、視界が反転。背中に感じる硬いコンクリートと首元に突きつけられた刃物、地面においたスマホが照らし出すベルモットの顔(逆光でホラー気味)に背筋を冷やした。














彼女は数秒私の顔を眺めたあと、眉をひそめて口を開く。







「組織の人間…では無さそうだけど、何処かで見た顔ね」

「っ、」


つぅーと指で首をなぞられる。刃物でなぞられなくてよかった、と安堵していると何も答えない私に疑問を持ったのか、刃物を退けてくれた。



「貴方いま、救急車を呼ぼうとしたわよね？どうして止めたのかしら？」

「いやその前にせめて起き上がらせて下さい」

「貴方の返答次第よ」




即答されて、思わずため息を付いた。相手は組織の人間で、私は彼女からしたら得体の知れない人物。警戒するのは当たり前だけど、頭から流れてる血を止めてからでも良いのでは？









…なんて素直に言えるわけもなく、せめてもの抵抗で目をこれでもかというほどに開き、全身全霊で目を合わせる。




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☆75と1600人ありがとうございます‼

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