3章 74話 ページ30
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朝起きた時、数日前とはまるで違う空気が肺の中へ入ってきた。
なんだかじめじめとした匂いだ。肌にもじっとりと汗を掻いている。
「なんでこんなに暑いんだ…?」
毛布を剥ぎ取りながらベッドの横の時計を見る。なんと優れもの、気温湿度までわかる仕組みのようだ。
ちらりと確認だけしようと思い液晶を見た。
そして2度見した。
なんと室温23度、湿度74%。なんでこんな梅雨みたいな天気になっているんだと窓の外を見に立ち上がる。
カーテンを開けるとそこは薄暗い街。どこでもない、いつも見る景色だ。
そして雨。
すっっっごい雨。
「土砂降り…」
思わず、こんなに簡単に季節が変わっていいのか…と頭を抱えた。なんせこの前まではまるっきしの冬。 of the 冬だったのだ。
しかし便利なことに部屋と衣服の衣替えは済んでいる。急な季節の変化に驚いているのも私の感情だけで、身体は元気だ。
「本当によくできた世界だこと…」
驚いていても仕方がないのでパパっと着替え、出かける準備をする。
土砂降りの中出かけるのかって?気にしないねそんなこと。
スマホのメモ機能には、『○月×日 家族で住んでいた住所を訪ねる』と書いてある。そう、今日の目的はこれだ。過去のカケラ捜索。
どうか誰にも会いませんように、と祈りながら防水の靴を履き、軽いジャンパーを羽織り、傘を持つ。
「…一先ず、朝食取ってから行くか…」
ついでに必要そうなものも買っていこう。
但し。
こういう日に限って邪魔が入ることも忘れずに。
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のうん。(プロフ) - いやっっふぅぅさん» ありがとうございます!受験生になってしまい更新頻度が今まで以上に落ちるかもしれませんが、気長に待っていただけると幸いです!頑張ります! (2023年4月23日 20時) (レス) id: 1e9dfbc6fb (このIDを非表示/違反報告)
いやっっふぅぅ - めちゃくちゃ面白いです!!更新楽しみにしてます~頑張ってください! (2023年4月23日 18時) (レス) @page36 id: 04070a48e1 (このIDを非表示/違反報告)
のうん。(プロフ) - アイリスさん» ありがとうございます!そう言っていただけて本当に嬉しいです…頑張って更新するのでよろしくお願いします!! (2022年4月8日 13時) (レス) @page17 id: 1e9dfbc6fb (このIDを非表示/違反報告)
アイリス(プロフ) - 面白すぎて一気読みしちゃいました!!続きを待ってます‼️ (2022年4月6日 14時) (レス) @page16 id: 45e9dfc0f9 (このIDを非表示/違反報告)
のうん。(プロフ) - たろ。さん» コメントありがとうございます。松田さんはキーパーソンですが、作者が今の山場に苦戦しているため出番がもう少し先になりそうです…気長にお待ち下さい! (2022年3月19日 7時) (レス) id: 1e9dfbc6fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のうん。 | 作成日時:2022年1月20日 17時