探偵よ、私は短気なもんで。2

46話 ページ2

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「お前、工藤新一と知り合い？」
















「…え？紗綾さん、それは…どういう意味？」

「そのままの意味だよ。何となく思っただけだけどね」


私に対する警戒レベルが、彼の中でぐんと引き上がったことがわかる。そんな小さな身長をしていながら滲み出る威嚇オーラは男子高校生そのものだ。やっぱり、こいつ隠す気ないだろ。


「新一兄ちゃんは遠い親戚…みたいな感じだけど、それがどうしたの？」

「いや、ずいぶん前に彼と話したことがあるんだけど、君の口調とか服装とか、彼にそっくりなんだよね」




もしかして、憧れてるとか？
一度そらした視線をもう一度彼に向け、正面から覗き混む。


「そ、そうそう！ぼく新一兄ちゃんに憧れてるんだー！！」




…苦しい言い訳すぎるだろ。
これを何も知らない人が聞いたらただのほのぼのする風景だけど、私は彼の正体を知っている。そんな身からすれば、こんな名探偵コナンには珍しい和みシーンも、ただの痛い男子高校生となってしまうことを思うと少し彼が哀れだと感じた。


「へぇー…そうなんだ。じゃあサッカーとか謎解きとかも得意なの？」

「得意…かは分からないけど、好きだよ！」

「なるほど。いいねぇ最近の若い子は」

「紗綾さんも大学生でしょ…」

「大学生なんてもう老人よ。こちとら足腰痛いのにほぼ毎日通っとんのじゃ」

「全国の大学生に謝ったほうがいいと思う」






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