Episode24 機嫌 ページ26
「《そうそう、冬コミのネタについてちょっくら話したくてね。今日の12時くらいに昼食も兼ねてお茶しようや》」
『冬コミか…うん、了解。高橋とならいいネタ浮かびそうだし』
「《さっすがA氏〜！話が早くて助かるンゴねぇ。それじゃまたあとで》」
『またね』の言葉を最後に、私は高橋との電話を終える。今日のお昼か。Tordには出掛ける事伝えないと。
……でも今はあんまり会話したくないな。小っ恥ずかしいというかなんというか。気まづぅ……
「誰と電話してたんだよ」
『くぁwせdrftgyふじこlp?!?!?!』
シュバッ、と声の主との距離を瞬時に空ける。声の主であるTordはバツの悪そうな顔で頭を搔いていた。
「悪かったって…性急すぎた。だからそんな警戒すんなよ」
心做しか猫のような癖っ毛がいつもより元気が無い気がする。Tordなりに申し訳なさを感じているのだろう。ならなぜあんな事をしたのか、と問い詰めたいところだが今のTordにそれを実行するほど私は鬼畜じゃない。
私はひとつ大きくため息をつき、Tordの肩をポンと叩いた。
『…本の制作手伝ってくれるんでしょ？それでチャラ』
「！」
私の言葉にTordは大きく目を見開くと、いつものニヤついた顔とは違う柔らかい微笑みを返した。
うーん、心臓がはち切れそう。ギャップが…
『あ、そうだ。今日のお昼私出掛けるから。好きに冷蔵庫からなんか選んで食べて』
「電話の相手か？」
『そうそう。本のネタ考えて欲しいってさ。だから私もついでにアイデア貰いに行くんだ』
「………相手、男か？それとも女？」
『いや、男だけど……』
「…ふーん」
目を細めながら私のスマホに視線を落とすTord。え、何がご不満なんだこの猫ちゃんは…地雷が全く分からん。
何故か機嫌を悪くしたTordは、テレビ近くの机の上に置いてあったPCを開きぶっきらぼうに何か調べ始めた。
『あー…朝食作るね』
「……ああ」
うーん、困った。まさか嫉妬？いやいやそんな…
朝食を終えた後もTordは不機嫌そうに漫画やテレビを見るばかりであまり会話をしてくれなかった。
まあ、別に気まづかったからいいんだけど……いややっぱり良くない。まさか嫌われた？行為を拒否したから？…この考えはよくないか。
考え込んでいても時間はどんな人間にも平等。時刻は11時を回っており、私はTordへ出掛ける事を告げると家を後にした。
『…ベーコンでも買って帰ろう』
心とは全くの真逆の青空を見上げながら、私は家にいる赤い彼の事を思い浮かべた。
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ベンザチャン(プロフ) - 久しぶりの更新嬉しいです！！Tordと夢主の相性が抜群ですね！！！（？）無理せず更新頑張ってください！ (2023年1月25日 8時) (
レス) id: 7db4a09c58 (このIDを非表示/違反報告)
大祝 - お久しぶりですー!この作品大好きだったので更新嬉しいです! (2022年10月28日 17時) (レス) id: e74f7c17fb (このIDを非表示/違反報告)
たまご(プロフ) - いつも楽しみに待っていました！これからの展開を楽しみにしています！ (2022年10月28日 17時) (レス) @page29 id: e11f93c1d4 (このIDを非表示/違反報告)
omio(プロフ) - 更新待ってました！来る日も来る日もチェックさせて頂いていましたが本当に嬉しすぎてやばいです!!次の更新も心待ちにしてます！ (2022年10月27日 18時) (レス) id: 0610d9afb5 (このIDを非表示/違反報告)
ベンザチャン(プロフ) - 久しぶりの更新嬉しいです！相変わらずの豊富な語彙力羨ましいです…！無理せず更新頑張ってください！！ (2022年10月27日 8時) (レス) id: 05631b7c6e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はちまき | 作成日時：2022年7月10日 21時
