【Eddsworld】同人作家とトリガーハッピー

Episode12 衣服 ページ14

＿＿人々が行き交う駅構内で、お互いがはぐれないよう確認しながら改札を潜る。背の低い女が背の高い外国人の男の袖を引っ張りながら歩く姿に周りから好奇の目で見られながらも、私達は何とか目的の場所へ到着する事が出来た。


到着した場所は某大手大型ショッピングモール。
ここなら服屋もあれば家具や電化製品、オマケに漫画まで生活必需品がほぼ全て揃っている。

あの殺風景な部屋を満たすには十分な品揃えだろう。


『じゃあ先に服屋行こうか』


そう言って私達が入ったのはメンズ物の服を取り扱っている2階の店。物珍しそうに周りをキョロキョロと見渡すTordの姿を微笑ましく思いながら、私は心拍数の上がる心臓を無視して彼の手を引いた。

服屋独特の不思議な匂いに包まれながら辺りを散策する。店内にはラフな物から流行りのものまで幅広く揃っていた。


『なんかいいのあった？』

「んーそうだな…」


店内の商品を見ているTordに問うと、彼はあるハンガーラックの前で立ち止まった。ハンガーラックに掛けられている服はTordが着ているような色とりどりのパーカー。

Tordはそのパーカー達を懐かしい物でも見るかのように目を細めると、いくつかのパーカーを手に取った。


……もしかして、Edd達の事でも思い出したのかな。


「これ」と言いながらTordが差し出してきたのはシンプルな赤いパーカーと黒いパーカー。選択色に初期のTordを彷彿とさせながらも、私は快くそれらを受け取る。


その後、ついでにTシャツとズボンや下着をいくつか選んでもらい、私は会計を済ませた。


次に私達が向かったのは電化製品を取り扱っている店。しばらくこの世界にいるのなら、スマホは必須だと考えたからだ。連絡が取れないと色々と不便だろう。
一応Tord用にPCも買っておくか。






***





『あ"〜〜重かった…ただいま我が家……』

「A銃。早く銃返してくれ」

『あ、はい』


不機嫌そうに眉を顰めるTordに、私は靴箱から取り出した一丁の拳銃を手渡す。出掛けている最中時間が経つにつれ明らかにギスギスしていた空気が渡した瞬間嘘のように消え去った。

嬉しそうに銃を持ってリビングへ向かうTordの背中を見送る。
ふと時計を見ると、時刻は午後4時を示していた。まだ夕食を作るには早い時間帯。


『…片付けでもすっかな』


廊下に乱雑に置いてある紙袋を見ながらそう呟く。新調した服を自室のクローゼットに入れる訳にもいかないので、夕食時になるまで私は空き部屋の片付けをする事にしたのだった。

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