優しい嘘ならもう充分だよ。【霧野蘭丸】 (ページ49)

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気持ち番外編ページ49

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綺麗な桜の木を見上げなから

「ん？どうした」

私は蘭丸に飛び付いた。

「わっ！！なにして、」

「蘭丸！だいすきっ！！」

「……？

ま、まあ、俺も大好きだけどな」

目を細めて、おかしそうに笑う蘭丸に頬を緩ませていると、唇に何かが触れた。

驚いて目を開けると、蘭丸の顔があった。

「……え」

「っは、顔真っ赤。

そろそろ行こうぜ！」

爽やかな笑顔を見せて、走り出した蘭丸。

火照る顔をぶんぶんと横に振り、蘭丸の後を追い掛けた。

「ば、馬鹿にしないでよ！！」

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色んなことがあったけれど、蘭丸と復縁出来て本当に嬉しかった。

だから、今がとってもたのしい。

ー蘭丸、これからもずっと大好きだからね。

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俺は桜の木の後ろに寄りかかり、一年前に書いた手紙を握り締める。

「…っ」

"告白"出来なかった。

好きだった、片想いしてたあの子に。

だけど、あの子には彼氏がいた。

あの子は彼氏といると、とても嬉しそうで、笑っている顔を見ると、胸が痛んだ。

その日、なぜか俺は体調不良で学校を休みがちになった。

休んでいた日、いつも思ってた。

"俺とあの子は釣り合わない"って。

けど、サッカー部のやつらからきいたんだ。

あの子は彼氏と別れ、彼氏は新しい彼女を作ったということを。

その時、思ったんだ。

諦めずに告白しよう、と。

だから、あの子が俺の家に来た時は嬉しかった。

…けれど、あの子は泣いていた。

彼氏のことを諦めずにいた。

だから、"好き"と言う言葉を飲み込んで、彼女をそっと抱きしめてしまった。

俺は本当に半ば諦めた。

あの子は俺には絶対振り向いてくれないって思ったから。

俺は彼女を幸せにしたい、そう思い、次の日から学校に行った。

一生懸命、あの子を支えた。勇気づけた。

あの子の側にずっといた。

振り向いてくれないと分かっていても、俺は振り向いてほしくて、必死にあの子を守った。

けれどー

やっぱり、あの子はあの元彼じゃなきゃ、ダメみたいだった。

あの子が、元彼の彼女と仲直りをした日。

部活が終わったら、あの子に書いた手紙を渡そう、と思っていた。

けど、あの子は部活を抜けて、

元彼がいる場所へと行ってしまった。

元彼とあの子は復縁した。

正直、悔しくて悲しくて、涙を堪えなくて、だから保健室に言った二人をきつく叱ってしまった。