【鬼滅の刃】夜凪、優しい男前だな (ページ14)

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幸せだページ14

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授業と授業の間の休憩時間。

「にゃー」と鳴く可愛らしい毛並みの猫が、夜凪に擦り寄っていた。

「…ご飯をあげなくちゃね、買ってきたから食べる？」

夜凪はこの前胡蝶カナエに猫の育て方を聞いた為、それ通りの餌を買ってきて育てていた。

見知らぬ野良猫さえも放っとけない辺り、なんとも真面目な男である。

猫もそれに惚れたのか、夜凪には良く懐いていた。

「…可愛い」と夜凪が呟いていれば、急に後ろから当たっていた太陽の光が遮られる。

夜凪が後ろを向けば、とても大きな体の男が夜凪と猫を見ていた。

夜凪はその男に心当たりがあった。

「初めまして悲鳴嶼様。前世では鬼殺隊に務めていました、夜凪Aと申します」

悲鳴嶼行冥。鬼殺隊最強と名高かった岩柱。

夜凪は会った事はなかったものの、跪いて挨拶をする。

「…南無阿弥陀仏…君はとても優しく気高いのだな…」

「えっ、あ、いや…」

夜凪は驚いた。悲鳴嶼が涙を流し始めたからである。

流石に跪くのもやめてハンカチを取り出した。

「良かったらお使いください」

「いや、大丈夫だ…」

「あ、はい…」

出したハンカチをポケットへとしまえば、悲鳴嶼が話し始める。

「君の話は前世により聞いた事がある。あの若さして亡くなるなど、無念だっただろう。可哀想に…南無阿弥陀仏…」

悲鳴嶼のその言葉に、夜凪は苦笑いをして言った。

「…そうですね、無念ではありました。ですがこうして今、悲鳴嶼様や他の方々と出会えたのはとても喜ばしいんです」

「嗚呼、鬼のいないこの世界で君のような若者に会えた事は幸せだ」