その娘、強者が故に【終わりのセラフ】 (ページ19)

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第6話その2 ページ19

ーーーー世界が崩壊した年(これは崩壊する前の事だが)

...兄の鬼呪装備に宿っている鬼と話した次の日。運良く両親共に出かけていた、おそらくは都内の視察だろうがそんな事はどうでもよかった。

起きてすぐに｢入ってはいけない｣と言われた研究所に向かった。じいやに反対されたがなんとか言いくるめて(もちろんこの事は内緒で)鍵をもらった。
鬼呪装備がある場所は地下であるとすぐに理解した。邪気が強すぎる故に発生源が把握できるから。

鬼呪装備のあるであろう部屋は悍ましかった。扉、床、天井全てに古い物から新しい物までのたくさんの種類の札が貼ってあった。

私の勘が言っている、

『これは危なすぎる』と。

部屋はコンクリート状になっており、真ん中に一本の刀が刺さっていた。目視できる程大量の邪気が刀を渦巻いていた。

いつの間にか私はその刀に近づき、触れようとしていた。

...なぜだ、止まれ、私の身体...！！

私の身体は操り人形のようになっていてコントロールが一切効かなかった。
そして私は刀を手に取り鞘を抜いて抜刀していて、

意識が消えるのがわかった。

耳元で誰かが

【あーあ】

と言ったような気がした。