【暗殺教室】殺る気？ありません。やる気もありません２【REBORN!】 (ページ15)

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殺る気？ 59 ページ15

「…その男性を見たことはこれから誰にも言わないでください」

もしかしたら、怖い顔になっていたかもしれない。
だけど、今はそんなこと言ってはいられません。

「ど、どうして？」

困惑している中村さんの肩を掴んだままだったので、離し、1歩下がる。

「…もし、僕の知っている人なら、その人は死んでいます。
死者が蘇る、なんてことはありえませんし、他人の空似の可能性あります。

が、もし生きているなら、その人は狙われる人です。いいえ、多くの人に現在も狙われています。

死んだと言っても、それは表の世界だけ、ということも有り得るわけですから。

ここから先、詳しいことはいえませんが、その人のことは口外無用でお願いします」

ポカンとしている中村さんに頭を下げる。

数秒経つと、頭が回り始めたのか、中村さんが不安げに「うん」と言った。

ああ、あともう一つありましたね。

「それと、首のマークは秘密にしておいてください。本来は隠しているのですが、どうやら中村さんには幻覚の才能があったようですね」

「幻覚…？」

「いえ、気にしないでください」

言うことはもう無いですかね？
少しヒントを与え過ぎましたか。

勘のいい中村さんなら、わかるかも知れませんが、同時に頭の良い中村さんですから、わからなくても理解はしてくれると思います。

「他に用事はありますか？」

「まぁ…いや、やっぱいいや。
野暮なことは聞かない主義なんでね」

ニコリといつもの笑顔で笑い、彼女は教室に戻った。

僕は1人、空を仰いでいた。
そして、自分の右の掌を見つめ、とても悲しく虚しく思った。

「…汚れた僕が、彼らの世界に入ることは…」

ぼそりと口に出たことを、僕は知らなかった。