プライドの時間 ページ1
糸成視点
とある日の放課後。
カルマと渚、杉野や寺坂と下校しているときのことだった。
冴えねー顔してやがんな、とカルマに寺坂が言った。
「またあのタコに鼻ッ柱でも折られたか？」
そう言う寺坂に、
「うらやましいか寺坂」
お前のダンゴッ鼻じゃ折りようがない、と続けて言えば予想通りの反応が返ってきた。
カルマがオレの方を向いて言った。
「最初会った時言ってたじゃん。オレの方が強いとか弱いとか」
そこら辺はこだわってないのか、と続けるカルマに、オレはあれは触手の言葉だと訂正してから返す。
「オレが本当に欲しかったのは、強ければ手に入るようなものじゃなかった」
だからお前の方がオレより強い、それでいい、と続けた。
「・・・じゃー渡辺ちゃんはどーなの？触手が自分より強いって認めたことになっちゃうよ？」
オレはあの時のことを思い出した。
『このクラスで一番強いのはお前だ。・・・オレより強いかもしれない。お前も殺す』
オレは確かにそう言った。
この教室に来て、来る前から、オレは渡辺が気になっていた。
『私はそんなに強くないよ』
初めなら、きっと嘘だと決めつけていたと思う。
でも、そうじゃなかった。
渡辺は強いとか弱いとか、そういうのじゃなかった。
今までの渡辺を思い出しながら、オレはカルマに返答する。
「渡辺は、そういう強さがあるような気がしていた。でも、それは気のせいだった」
「気のせい？」
杉野がどう言うことだと言わんばかりに首をかしげる。
「・・・渡辺は、全然強くない。強くなかった」
ただの思い込みで、勘違いで。
それに気付けたのは、この教室のおかげだろう。
殺せんせーの教育が、渡辺を変えたから。
「このクラスで一番弱い」
・・・多分、と、言うか言わないか内心迷ったことを、オレは続ける。
「この世界の誰よりも」
その時、矢田の声がオレ達のいる辺りまで聞こえてきた。
駆け寄ってみれば、矢田の周りに気持ちの悪い笑みを浮かべた男達が群がっていた。
頼むからヒトの言葉でしゃべってくれ、とか言う眼帯男。
日本語は立派な人類語だ、と言いたくなる。
世界共通語だからって通じるわけじゃない。
世界で一番使われているのは中国語だという事を知らないのか。
とか思っていたら、カルマがそいつ等を家畜扱いしだした。
オレでもそこまでいってないぞ。
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若葉 - センス!!!神っすか!?!?!?!?!? (2020年4月3日 19時) (
レス) id: 4dface175c (このIDを非表示/違反報告)
マロン - 今さらながら完結おめでとうございます！いきなりですが最後の「七年後の時間」の意味がよく分からなくて、、、すみません。卒業して七年後のどういう場面でしょうか？ (2019年11月7日 20時) (レス) id: 81eb5f8e4a (このIDを非表示/違反報告)
糖分 - 完結おめでとうございます。これだけ長い小説で飽きずに読めたのはこの小説が初めてで、それほど文才があるんだな…と思いました。これまで、楽しませていただき、ありがとうございました。長文失礼しました。 (2018年12月1日 21時) (レス) id: 3016699a85 (このIDを非表示/違反報告)
月読(プロフ) - 茅野ちゃんのくだりでボロボロと泣いてしまいました、我ながら恥ずかしい、、笑 完結おめでとうございます！最後まで夢主ちゃんは落ちなかったですね…私本当はそういう系あんまり好きじゃないんですけど、この作品は別格で最高でした！ありがとうございました！ (2017年11月28日 0時) (レス) id: 720095c5ce (このIDを非表示/違反報告)
キャンディット(プロフ) - ドライすぎるアイスさん» そうですか… ありがとうございます！ 完結おめでとうございます！！！！！！！！ (2017年10月1日 5時) (レス) id: 8583ad440a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ドライすぎるアイス | 作成日時：2017年3月17日 2時
