恋は血の様に紅く (ページ32)

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☆ ページ32

トントン…

誰かに肩を叩かれた。そっと目を開くと俺の愛しい人。

山田「大ちゃん、どうだった？」

有岡「と、止まってました………」

山田「それってさ？俺が大ちゃんを好きって信じてもらえたってこと？」

有岡ぶんぶん

首を横に降る大ちゃん

有岡「信じないっ」

山田「どうして？」

有岡「え、えっと……ほ、他に好きな人ができた…から………」

山田「ふぅん…わかった。じゃあ俺帰るね、はいこれ鍵。さよなら」

他の好きな人なんて嘘だって、
わかってても妬いてしまう自分がいるんだ。

有岡「あ、いやあの…ちがっ」

大ちゃんが何かを言ってるけど俺の耳には入らない。そっと部屋を出ようとした。

すると…

ぎゅっと背後から抱き締められた。

有岡「山田っ…ごめ、嘘だから…行かないでっｸﾞｽｯ」

有岡「おねがっ…俺の話聞いて……！」

山田「………何。」

嫉妬のせいで優しく接することが出来なかった。

だから大ちゃんの方を向かず、ドアの方を向いていた。

有岡「っ…昨夜のね、仕返しって言ったけどね、本当は山田を諦める為のでもあったの。」

山田「どうして諦めるの？」

有岡「山田が、気を使うんじゃないかなって思って…迷惑掛けたくなくて…ごめんなさい。」ｸﾞｽｯ

山田「へぇ…大ちゃんの気持ちはその程度なんだ？」

有岡「ちが…！好きだからこそだよ……っ」

山田「好きだったら諦めないでよ」

有岡「でも、好きな人に嫌われたくな…」

山田「そんなのお前の思い込みだろっ！」

有岡びくっ

諦めても良いくらいにしか俺のこと好きじゃないのかって思ってしまって。

イライラして、怒鳴ってしまった。

有岡「ごめっ…ごめんなさ…ふえぇ…ぐすっ」

山田「いや、俺の方こそごめん。ついカッとなって…」

有岡「嘘ついたから…？」

山田「うん。諦めようとしたのにも腹たったの。」

有岡「…ごめんねっ」

山田「泣かないで、本当にごめん。」

くるっと振り返って大ちゃんを抱き締めた。

山田「ごめん、妬いちゃって…」

有岡「…っ」

しばらく大ちゃんは俺の胸の中で泣いていた。

好きなのに…傷付けてごめんね。