あるカフェの店員さん【knmc】

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「海、ですか？」


コーヒーを淹れていた手を止め
彼女は少し驚いた表情をする



「今度の日曜日に友人数人と海に行くんですが
　Aさんの話をしたら会いたいと言い出しまして」



人数も多い方が楽しそうですし、
などと沢山の言い訳が出てくる




本当はあなたと一緒の時間を過ごしたい



とサラッと言えたら、なんて考えると心が痛いが
こんな甘ったるいことを言えるような
性格じゃないことなんて自分が一番わかっている



海に行く友人と言うのは
もちろん、ガッくんとリリちゃんで
2人きりのデートなんてハードルが高すぎると
駄々をこねた結果一緒にいてくれることになった




「それなら丁度予定も空いてますし
　ご一緒させてください」




彼女の返答を聞いて
ブワッと甘い感情が溢れ出す



「いいんですか､､､？」



ニヤついてしまっていないか
声が浮ついてしまってないか
感情を隠しきれていないのがわかる




「ええ、とっても楽しみです
　あっ！けんちゃんも連れてっていいですか？」



「もちろんですよ！」




嬉し過ぎてこの後の3本連続収録も乗り切れそうだ


収録､､､？





「すみません､､､！！！
　このあと予定がありまして！
　帰ったら連絡します！」



お金をレジに置き
そのまま駅に向かってダッシュをする



どんなに息が切れてもニヤついた顔は
戻せそうには無かった

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