あるカフェの店員さん【knmc】

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ジリジリと照りつける殺人的な日差し

じめじめと身体を囲む暑さは
まさしく日本の夏、といった日だ


彼女と出会ってから約二ヶ月が経ち
僕らの関係は何も変わらず定員と客のまま

　


しかし、この二ヶ月間何も成長しなかった訳では無い




ドアノブに手を掛け、重いドアを開けると
彼女の優しい声が聞こえてくる



「いらっしゃい剣持さん、
　 いつものでいいですか？」



彼女の問いに頷き
定位置のテーブル席に座る



､､､のでは無く
彼女と一番近いカウンター席に腰を掛けた





そう、二ヶ月前までまともに話すことすら
出来なかった僕にとって、これは大きな進歩だ




今の僕の姿を見て


「うぶですね」 「青春だねぇ」



などとニマニマしてくる同期の姿が目に浮かぶが
そんなの健全な高校生なんだから当たり前だと思う



ちなみにあの未来人には
トリガーの3人で通話している時、
ガッくんが口を滑らせあっさりバレた




そんなことはどうだっていい



今はこうして近くにいれるだけで幸せだ
それ以上なんてパンクしてしまう



カウンターの中の後ろ姿を見つめながら


真っ白なクリームとスポンジを
フォークですくい口に運ぶ



彼女に恋に落ちたあの日
分からなかったショートケーキの味は
今ならしっかりと味わう事ができる








甘酸っぱい恋の味だと

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