黒と白～BADEND編～ (ページ4)

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二話ページ4

食料を全員に配り終え、家に戻ると父が何やら作業をしていた。集中しているのか、僕が来たことに気づいていない。

「父さん？」

おそるおそる近づき、声をかけるとそこでようやく父は僕のことに気がついた。

「リーデルか。配ってくれて助かったよ。」

僕は首を振った。

「いつも助けてもらってるのは自分の方だからさ。このくらいしないとね。」

父は照れくさそうな顔をした。

「何してるの？」

机の上には手紙と、ちょうど手紙が入りそうな透明なボトルが用意されていた。

「この手紙をボトルに入れて、海に流すんだ。そのための準備をしていたんだよ。」

なんだかロマンチックだと思った。
手紙を海に流すなんて少しワクワクする。

「誰宛てなの？」

僕が聞いたことに対し、父は一瞬辛そうな顔をした後、

「お母さん宛て・・・だよ。」

お母さん。
その言葉を聞くと胸が痛む。
僕はお母さんがどんな人か覚えていない。
父は、覚えているんだろうか？心の内に疑問が浮かぶが、今聞くのは躊躇われた。

「今日、その手紙を流すの？」

重い空気を少しでも変えようと、明るい声で言う。

「ああ。リーデルも、一緒に来るか？」

僕は頷く。

「よし。じゃあ夜になったら、出かけるぞ。」

こうして、僕は父と一緒に出かけることになった。