一章‐八話『彼の娘』(禍瑠魔) ページ11
ふと眼前の敵と対峙していると自棄に低めの声 しかし知っている声が耳に届く
それと同時に自身の肩が軋んだ音を立てた
『…おい 何 馬鹿な事言ってんだ。さっさと行くぞ ボケ』
それは、自身の親友と思いたい所なのだが、それとは全く別の人格を有したまた別の者。
自身の肩を掴み 自覚は当然無いだろうが、肩が軋む音を立てる程の力で掴んでいる。
何時もの大人しめの口調とは違い、荒々しく重い声色でそう言った。
『お前が此処に残ってどうすんだよ 共に出るのが此奴の願いだろ…』
そうまるで自分の願いのようにそう口を溢した。否、それは違い無く自身の願いだ。
然して我のコートの裾を掴み 敵の居る方向とは反対の方向へと走った。
裾が千切れるかと思う程強く掴み 必死に自身を引っ張っているその姿は、勇ましく思えた。
突如その足が ピタリ と停まり身体が前方へと持って往かれそうになる。
沂「……？ どうした…？」
リ「……ぬ？何で此処に居るの？さっきと場所と違う…？」
嗚呼___そうか。
そう自分は思った。此奴の場合記憶がすっぽりと抜け落ちる時が良くある。
其れは副作用なもので良く頻繁に起こる。此奴自身は自覚が無いのだろうが。
解離性同一性障害。確か精神障害の一種だったであろうか。
人格に膨大な負担が掛かり、其れによって人格が解離、即ち分離するというものだ
所謂 二重人格、多重人格とも呼ばれ、その総称としてと呼ばれる事が多い。
沂「大丈夫か？」
リ「恐らくは…特に問題無いけど…」
沂「…そうか」
そう安堵したかの様に深呼吸をする。しかし未だに猶予は無い。
この森を只々徘徊するだけでは何時かあの獄卒等に捕まってしまうだろう。
一刻も早く此の世側へと舞い込まなければ…
一章 - 九話 『逃げるために』(或夢)→←一章 - 七話 『見つけた』(或夢)
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ねむねむ - 獄卒乙女さん» 頑張ります!ありがとうございます！ (2017年12月28日 19時) (
レス) id: 7ee805d977 (このIDを非表示/違反報告)
禍瑠魔 - 獄卒乙女さん» 返信遅れて申し訳ありません。はい これからも頑張ります！ (2017年12月28日 14時) (レス) id: 5251f600ae (このIDを非表示/違反報告)
獄卒乙女 - うわあぁぁぁぁ！見つかったァァァァァ！ ← 更新頑張って下さい！ (2017年12月26日 10時) (レス) id: fd426a3898 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：禍瑠魔様＋ねむねむ様＋夜妬 | 作者ホームページ：http
作成日時：2017年12月16日 20時
