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「貴方、才能無いんじゃないの?」
吐き捨てるように言われ、私のデザイン画はポイッと投げられる。
『不思議の国』をモチーフとしたドレスを描いたデザイン画は、花びらの様に空中を漂い、私の横に落下した。
強く唇を噛む。
「大体ね、ファッションデザイナーになりたいなら普段の格好からちゃんとしなさいよ、そんなダサい格好で、」
半目開きで私を見るこの女性は、この間、有名ファッション雑誌に掲載されていた。
確か、見出しは
『誰でも、ファッションデザインナーになれる』
だったけ?
確かに、私はダサい。
けど、そこまで言わなくても、
「兎に角、帰って、
貴方の様な人は、採用したくないの、」
女性は、私の事をギロリと睨み付けて言い放った。
唇から血が溢れた。
これで、25回目、不採用をいただくのは、
先程の女性の会社を出て、近くにある公園のベンチに腰を降ろす。
「はぁー、」
自然と溜め息が出る。
公園には誰もいなくてとても静かだ。
その静かさが今の私にとってとても心地良い。
目を閉じれば、今でも思い出す。
暗闇の中、突然太陽のような眩いスポットライトが点いたかと思ったら、
軽快な音楽と共に沢山の華たちが歩いてくる。
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作者名:たま | 作成日時:2021年7月11日 9時