99話 ページ49
『A組千歳がロボを止めたー！！ さァ次は何をすんのか見物だぜー！？ フツーに壊すのか、それとも轟と同じく妨害に使うのかー！？』
「ゆ、誘動してる……」
テンションの高いマイクの声がスピーカーを震わせる。
手早く次の障害物に向かおうと考えていたが、それだけでは刺激が足りないのだろう。
約束のため、とAは停止した仮想敵の足に触れた。
入試時では重量に個性が耐えられず不安定になったが、特訓を重ねた今は違う。
勢いをつけて周辺の仮想敵を巻き込んで機械の防壁を作った。
『大胆な妨害だァー！！ 三、四体は吹っ飛んだか！？ すげェー！！ イレイザー見たか今の！？』
『見た。実況しろよお前』
Aは満足げな声を聞きながらこの場を離れようとする。
だが、背後で物音がした直後に何者かがAの背中にしがみついた。
突然の出来事に足取りが乱れて倒れかける。
「千歳ー！ 頼む！ オイラも連れてってくれー！」
「み、峰田くん？」
涙目で見上げていたのは先程、仮想敵に吹き飛ばされていた峰田実だった。
両手両足を使ってAに縋りついている。
背中から離れる気は全くないらしい。
「オイラの個性じゃ無理なんだ！ 絶対に邪魔しないから！」
「これ競走だけど……。とりあえず、離れてくれる？」
「離れたらオイラを置いていくだろ！？ 見捨てないでくれよ！ 頼むよぉ！」
「じゃあ本音は？」
ぴくり、と峰田は態とらしく肩を揺らした。
邪魔をしないと言っているが、Aにとっては既に重りになっている。
そして、別の理由があることを見抜いていた。
「ほ、本音？ そりゃあ、へへ……女子に抱きついてるだけでゴールもできるなんて一石二鳥――」
「正直だね」
Aの右手が峰田の足に触れる。
途端に掴む力をなくした峰田は顔面から地面にぶつかった。
泣き喚く声に聞こえないふりをして、Aは遅れながらも先頭の集団を追い始めた。
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やおや(プロフ) - パイナップルさん» お返事が遅くなってしまい申し訳ありません…。ご感想ありがとうございます。亀更新ですが楽しんでいただけるよう頑張ります！ (2023年2月5日 21時) (
レス) id: b7b6f6768c (このIDを非表示/違反報告)
パイナップル(プロフ) - すごく好きです！更新楽しみにしています！ (2022年9月14日 23時) (レス) @page19 id: 16127b2cec (このIDを非表示/違反報告)
やおや(プロフ) - すめしさん» ご感想ありがとうございます。所々謎の多い設定を詰め込んでますが、お話が進むにつれて明らかになるような構成となっておりますのでその点も含めて今後もお楽しみ頂ければ幸いです…！ (2021年4月20日 0時) (レス) id: 889f105f89 (このIDを非表示/違反報告)
すめし(プロフ) - めっちゃ面白いです…！個性についての説明がないので、どんな個性なんだ…と読んでいてワクワクします。これからも楽しみにしてます！！ (2021年4月17日 2時) (レス) id: 805a88b6fb (このIDを非表示/違反報告)
やおや(プロフ) - ポン酢さん» 貴重なご感想、応援をありがとうございます。嬉しい限りです。最終回をお届け出来るよう精一杯努めますので、今後ともよろしくお願いします。 (2021年2月7日 0時) (レス) id: c63586aa9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やおや | 作成日時：2021年2月1日 22時
