50話 ページ50
「確か――」
「通行の邪魔になっているんだよね！」
男の声に被せてよく通る声が響く。
金髪の青年は立ちすくんでいたAを庇うようにして現れた。
大きくごつごつとした手で優しくAの肩に触れた青年は、その顔を覗き込んでニッコリと微笑む。
「大勢に囲まれて怖かったよね？ もう大丈夫さ！」
「ま、待ってくれ、彼女に聞きたいことが……！」
「はーい！ また通りますよー！」
困惑する男を置いて、Aは青年に肩を押されるがままに歩いていく。
二人を引き止めようと腕を伸ばした記者もいたが全て器用に避けていき、脱出困難だった人の群れを安易に抜けることができた。
「ここまで来れば安心だよね！ 怪我とかは……うん！ 見た感じ平気そうだね！」
「はい、あのっ、ありがとうございました……！」
「どういたしまして！ 困ってる人を助けるのは当然のことなんだよね！」
昇降口前で手を離されたAは急いで振り返り、同じ制服を身に纏う青年に礼を述べた。
青年は親指を自信に向けると、ニカッと眩しい笑顔で笑う。
彼の背後から猫背の青年が姿を現すと「ミリオ、そろそろ行こう」と声を掛けた。
ミリオ、と呼ばれた男はAに大きく手を振って校舎に消えていった。
教室に辿り着くと、何事もなかったかのように一限目の授業が始まった。
相澤が昨日の戦闘訓練について緑谷と爆豪に注意喚起をしたあと、本題の学級委員長決めに話が切り替わる。
多くの手が挙がる中、飯田が発案した投票の結果が黒板に表記される。
一人一票、自分に投票した者も少なからずいる中で緑谷出久と八百万百の二人に票が集まった。
委員長は緑谷、副委員長は八百万で決定すると、争いが起こることなく話し合いは終了した。
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やおや(プロフ) - きゃーぽんさん» ご感想、応援をありがとうございます。お楽しみ頂けるお話をお届けできるよう努めますので、今後もどうぞよろしくお願いします…！ (2021年4月20日 0時) (
レス) id: 889f105f89 (このIDを非表示/違反報告)
きゃーぽん(プロフ) - めっちゃ面白いです！頑張ってください！ (2021年4月5日 16時) (レス) id: 0aee990b2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やおや | 作成日時：2021年1月29日 2時
